ｰラスタ･ラヴｰ

紅「崇さーん、崇さーん、居ますか？」

悠「ソファで寝てるぞ。」

崇「……」

紅「ありゃ……って、悠いつ上がってたんだ？」

悠「俺はずっとココにいたぞ。一杯やりながらリッカの歌声を堪能してた。」

紅「下で騒げばいいのに」

悠「いいんだよ。俺はゆったりしたい。それより、崇に用事か？」

紅「いや、今日は本郷がライヴにでばってるだろ？だから、お酌でもやろうかと思って。」

悠「お前はどこのキャバ嬢だ。どんだけ崇に尽くしてんだよ。俺に尽くせよ。むしろ付き合ってください。」

紅「悠…酔ってるのか？」

悠「悪い、なんか絡みたくなった。」

紅「悠は本当に面白いな。付き合うのは無理だけど、酌くらいはするぞ？」

悠「それじゃ、遠慮なく注いでもらう。」

紅「ブレンドしていいか？」

悠「日本酒とウィスキーの会わせ技は無いわぁ。」

紅「悠なら有りかなって」

悠「ねぇよ！優日みたいなこといってないで日本酒を注げ。」

紅「へいへい。」

悠「さんきゅ。紅も飲むか？」

紅「俺は日本酒じゃ無い方がいい。」

悠「ウオッカでもやるか、ロックで。」

紅「喉が潰れそうだから、ウィスキーにしとく。」

悠「チチチィ。」

紅「なんだそれ。」

悠「舌打ちを声でいってみた。」

紅「俺も今度やってみるかな。」

悠「いや～…紅はやめとけ。」

紅「なんでだ？」

悠「お前はそーいうキャラじゃない。こう真面目にみえてわりかしルーズなキャラだろ。」

紅「すまん、よくわからん。」

悠「とりあえず、俺の真似はあまりするなということだ。」

紅「その髪型は真似しないぞ。鬱陶しそうだし。」

悠「似姿の話じゃなくて行動の……いま、軽くバカにしたか？」

紅「バカにはしてないって、ただ前見えないだろ。とか、邪魔だろ。とか貞子じゃんとかは思った。」

悠「言われなれてるが改めて聞くと結構失礼だよな。」

紅「けど、実際見えてるのか？」

悠「見えてなかったら出歩けねぇし。まぁ、ただこうして話してる紅の顔がはっきり見えてないのも事実だ。」

紅「切っちまえば？」

悠「やだよ。恥ずかしい。」

紅「月見里の子猫ちゃんみたいなこというんだな。」

悠「優日はあの帽子取っ払うべきだ。あの目は男子の宝に当たるのに。」

紅「人の振り見て我が振り直せって言葉知ってるか？」

悠「知ってる……っが、俺はそういった格言なんかは自分の都合がいいときにしか使わないように心がけてる。」

紅「立派だな。」

悠「それほどでも。」

紅「けどさ…悠の目も宝だと思うぞ。」

悠「をい、なに気安く人の前髪開いてこんにちはしてんだよ。」

紅「いや、いつみても綺麗なオッドアイだなぁって。」

悠「なに口説いてんのか？」

紅「その気は無いって。悠が女なら考えてたかもだけどな」

悠「いいから、髪を戻せ。」

紅「まぁまぁもう少しいいじゃん。」

悠「いつまでも野郎と見つめ会う趣味は無いんだよ。」

紅「目付きは悪いのにほんと瞳の色は綺麗だよな。二重とか似合うじゃね？」

悠「話をきかんかい！」

崇「……おい。」

悠「お、崇起きたのか」

崇「紅にあまり飲ますな。ソイツは俺らと違って酒に強くないの知ってるだろ。」

悠「飲ますなってまだ二三杯だぞ。」

崇「ボトルを見ろ。」

悠「ワイルドターキー…って、お前、タカシの酒ストレートで飲んでたのか？！」

紅「え、え？なにが？どしたんだよ悠。あははは」

悠「うわ…コイツ、いつから酔ってたんだ。顔にでねぇから気づかなかった。」