ｰラスタ･ラヴｰ

ざわざわ…ざわざわ…
ざわざわ…ざわざわ…

六花「♪～♪～♪」

本郷「♪～♪～♪」



美喜「はぁ…」

澪「どうかしました？」

美喜「どーもこーも……人来すぎ。」

澪「限定ライヴですから仕方ないですよ。見知った顔もチラチラ居ますけど……この状況じゃ皆バラバラでしょうね。」

美喜「まったく…あ、そうだ。さっき上(VIPルーム)に崇が上がっていったから」

澪「了解しました。誰かガード立たせときます。」






崇「よぅ。」

悠「おー…崇？」

崇「どうした、わざわざこっちに一人で」

悠「そりゃこっちのセリフだ。なんで、わざわざ隣に座る？いつもの王座(メインソファ)はどした。」

崇「たいした理由は無い。それより、お前がいると賑やかなもんだな。」

悠「あー？なんのことだよ。」

崇「お前が居るだけで人が集まるといってるんだ。」

悠「よーわからんが……気のせいだろ。ただ、皆が皆騒がしいだけで。」

崇「お前は性格がひねくれてるな。誉められても素直に受け取れない。ひねガキだ。」

悠「喧嘩売ってんのか？」

崇「好きにとれ。」

悠「……」

崇「……」

悠「ちぇ、王様に褒められるなんて、明日は雹でも降るんじゃないか？」

崇「ふん、そうだな。明日は霰だ。」

悠「……俺がヒネてるってのは認めるが…崇も十分歪んでるよ。」

崇「はじめて言われたな。」

悠「そりゃお前に言える奴なんかいないからだろ。イエスマンばかりを侍らせてると精神衛生に悪いぞ。」

崇「だから、たまにはこうしてお前の減らず口に付き合ってるんだろ。」

悠「もう喋ってやんねー。」

崇「ふっ。」

悠「鼻で笑うな。腹立つなぁ…」

崇「……なぁ、悠。お前はどう思う。」

悠「あにが？」

崇「強さってのだ。」

悠「哲学的な事を聞かれても困る。」

崇「そうやって小難しい事をいって煙に巻く所がのがヒネてるっていうんだ。」

悠「ほっとけ」

崇「それとも…最強の男には語る言葉はないか。」

悠「おい、やけに絡むじゃないか酔ってんのか。」

崇「かもな、本音を聞きたいだけだ。」

悠「知らねぇよ。第一最強はお前だろ。」

崇「……ふぅ。酒はウィスキーが一番だな。」

悠「肯定も否定も無しかよ。っか、やっぱり酒はポン酒かビールだろ。」

崇「強者と呼べる奴は……他にもいる。拳二、薫、六花、それにお前」

悠「俺の意見は無視なうえに買い被りすぎだ。」

崇「俺は幸せなのかも知れない。」

悠「今度は突然なんだよ。」

崇「今この時代にこんなにも人材が豊富なんだからな。そう思わないか？」

悠「さぁね……俺としては知り合いの何割かが超人ってだけでゾッとするよ。」

崇「お前もその一人だと理解してるか？」

悠「崇、やっぱ酔ってるよ。呑むの止めて寝た方がいいぞ。俺は普通だ。」

崇「……悠、謙遜は時に、暴言よりも相手を侮辱し憤慨させるぞ…」

悠「謙遜もくそも無い。事実だ。」

崇「……」

悠「……」

崇「…一見」

悠「あ？」

崇「一見、優男にカモフラージュしてるが…首や肩幅は異常に発達、腕の肉は絞り込まれ太く、シャツの下には分厚い胸筋に腹筋……。並の身体じゃない。」

悠「お前には言われたくねぇよ。だいたい、なに人を勝手に解析してる」

崇「俺はお前を、お前より理解してるつもりだ。」

悠「あー？」

崇「本当は望んでいるんだろ。最強の称号を…」

悠「けっ…なにいってんだか。そんなもん興味ねぇよ。」

崇「ふふ、自分へつく嘘が下手だな。素直になれよ、闘いへの渇望が抑えられなくて困っていると」

悠「……それこそ、お前の事だろ。」

崇「そうだな。俺は待ってるんだ。お前という極上の餌が来ることを」

悠「餌ねぇ…。っか…俺はお前とはやりたくないんだけど。怖いし。」

崇「どの口がほざいてる？」

悠「まぁ、暇で暇で仕方なくなったら…考えといてやるよ。」

崇「先は長そうだな。」

悠「かもな。拳二でもつまみ食いしてろ。」

崇「消化不良になりそうだな。」

悠「をぃ…上手いこというじゃねぇか。」

崇「安心しろ、ユーモア(滑稽)センスはお前に負ける。」

悠「なんでだろ…今、軽く馬鹿にされた気がした。」

崇「気のせいだろ。」

悠「気のせいか。」