ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅳ】

ーラスタ・ラヴ(2/22/夜)ー

悠「なんか面白い話ない?」

ともき「俺に言ってるのか?それとも独り言か?」

悠「これで独り言だったら、色々とどうよ?」

優日「でも、居るよね。超ひとりごという人」

悠「いるけどな。なんかひとりでめっちゃ話してやつとか」

ともき「いるかな…?」

優日「意外といる。」

悠「まぁ、それより何か面白い話ないかな」

ともき「急にいわれても出てこないだろ」

悠「一流のエンタティナーはどんな無茶ぶりにもこたえられる!」

優日「なんか面白い話ない?」

悠「動物園で「自分は神に守られている」と叫び飼育地帯に侵入した男がライオンの爪で絶命した話とかかな」

優日「やるじゃん」

ともき「どんな話だそれ」

悠「ウクライナの話」

ともき「ウクライナでそんなことがあったのか……」

悠「昔、なんかで見たこと覚えがある。」

優日「守られてなかったんだね」

悠「守ってた神がライオンに負けたんじゃね?」

ともき「守ってるっていうか、ついてたのが疫病神とか死神だったんじゃないかな」

悠「おれなんか白巳に守られてる」
スチャ
白巳「しゅぴぴ」

ともき「……守られてるというのかなソレ」

優日「邪神とか死神とかもついてるし」

悠「まぁ、どっちもライオンでは対処できないわな。」

緋斗「どうもー」

悠「はい、面白い話して」

緋斗「ふぁっ?!」

悠「一流のエンタティナーはどんな無茶ぶりにもこたえるものだぞ」

緋斗「久々の出番でいきなりそんな……」

優日「悠」

悠「なんじゃい」

優日「なんか面白い話ない?」

悠「透明人間になる薬を体中に塗布して自信満々の男がいとも簡単に撃たれて死んだ話とか?」

緋斗「ウソやん!」

悠「ジョハネスバーグ近郊のイースト・ランドの話だ。透明人間になる薬を全身に塗りつけた男が小型バンを走らせていた。男が運転していたのはリンポポ州で盗んできた車だったが、透明人間になった自分が捕まることはありえないと安心しきっていた。だが、しばらくするとパトカーが近づいてきて停止を命じられた。運転者の姿が見えないことで逆に不審に思われたのだろうかと男は思ったかもしれないな。だが、自分の姿は見えていないはずなので、無視して逃げることにした。当然だけど警察は、運転者の姿が見えないから停車を命じたわけではなかった。そのバンには、電波発信式の追跡装置が搭載されていた。パトカーのほか、ヘリも追跡に参加し、男はついに行き場を失った。車を草原に乗り入れた後、外に出てきた。だが、彼はまだ、警官たちに自分の姿が見えていないと信じていたようで自信満々で警官たちに向けて発砲した。だが警官たちには、もちろん男の姿が見えていた。警官たちはすかさず応戦し、男の頭部と首に弾丸が命中した。それらが致命傷となり、男は死んだ。」

ともき「それ、実話か?」

悠「実話だよ。この珍事件の背景にはミューティが絡んでる。」

優日「ミューティ?」

悠「南アフリカ共和国には、AIDSの特効薬もあればガンの特効薬やさまざまな病気を治す薬。病気だけでなく、幸運を呼び寄せる薬や、惚れ薬もあれば、透明人間にしてくれる薬さえあるとされてる。」

ともき「いや、なんだその夢みたいな薬は」

悠「それらの薬は「ミューティ(muti)」と総称されて、「サンゴマス(sangomas)」または「イニャンガス(inyangas)」と呼ばれる伝統的呪術医の手によって処方および調合されるらしんだが、ここは省くとして……その薬の中に透明人間になる薬もあって、さまざまな使い道があるはずだが、悪人がこれを好んで使うことは言うまでもないだろ。透明である限り、どんなに悪いことをしても絶対に見つからないし、追跡されたり、銃で撃たれたりすることもありえない……と思いこんだ結果だよ。」

優日「自業自得だけど……悲しい話だね。」

悠「透明になっても裸のぞく位にしとけってことだわな」

ともき「違うだろ」

悠「ということで次は緋斗な」

緋斗「無理!こんな話されて何言うても滑るに決まってますやん!!」

悠「知ってる。はい、小鳥遊お勉強問題!スペイン王室の命令で世界一周を果たした一行は?」

優日「はい、フィリピンの住民に殺されたひと」

ともき「そこまで分かってるなら名前を言えよ」

緋斗「……」

悠「マ?」

緋斗「ま、マーチス?」

悠「お前には失望したわ」

ともき「マゼランな…」
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