ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅲ】10

ーラスタ・ラヴ(11/4/夜)ー

悠「手品を見せてやろう」

緋斗「はぁ」

悠「ここにトランプの山がある。好きなカードを一枚引け」

緋斗「ほな、これを」
スッ

悠「おれに見せずに皆で確認しろ。」

緋斗「……」
【ハートのA】

ともき「……」
紅「……」
崇「……」

悠「覚えたか?そのカードはハートのA」

緋斗「正解!」

ともき「ほー」

紅「おー」

崇「それだけか?」

悠「なら、もう少し見せてやる。緋斗、そのカードをどこでもいいから山に戻せ」

緋斗「はいよ」
ズッ…

悠「シャッフルしろ」

緋斗「はいはい」
シャッシャッ

悠「指で二回、山の天辺を叩く」
トントンッ

「「「……」」」

悠「崇、一番上のカードを引いて、見てみろ」

崇「……」
スッ
【ハートのA】

悠「ハートのAだろ」

紅「おおっ!」

緋斗「あ、スゴイ!」

悠「誰にでもできる手品だ」

ともき「誰にでも?」

悠「だってこのトランプ、全部ハートのAだからな」

緋斗「ええっ?!」

悠「手品の初歩の初歩だろ。この手品のポイントは絶対に山を崩さないことと絵柄を見せないこと。特別な技術もいらない。ポケットに入れとくだけでいつでも使える!さぁ、このハートのAのみのトランプセットいまなら1000円」

緋斗「買います!」

悠「はい毎度有り」

紅「買うのかよ」

ともき「明らかに値段はぼってるな」

崇「……」

紅「崇さん、どうかしました?」

崇「詐欺師というのは色々とひねくれた手を使うように見えてやってることは基本話術とパフォーマンスだ。」

ともき「つまり……悠は詐欺師だと」

崇「向いているだろうな」

悠「誰が詐欺師やねん!」

紅「違うのか?」

悠「嘘つきではあるが詐欺師ではない!」

ともき「嘘つきだから詐欺師になるんじゃないか?」

悠「卵が先か鶏が先か……」

ともき「そんな哲学的な話はしとらん」

悠「ほほほのほーっ」

崇「……」

紅「ふんっ!」
ブォン!
バッ!
悠「なんのぉー!」

崇「当たらんなぁ」

紅「すんません。次は当てます」

悠「やめんかいっ!」

ともき「今の笑いかたは癇に障るもんな」

悠「ひゃひゃひゃ」

紅「ふんっ!」
ゲシッ!
悠「まさかの蹴りっ?!」

崇「良くやった」

紅「あざっす!」

悠「ぐぉぉっ、いてぇ……でも小鳥遊お勉強問題!移り変わりについていけずに古いことにこだわることの故事成語は?」

紅「なんだそれ」

崇「さぁな」

ともき「ええと、確か船に刻みて剣を求むだったかな」

悠「Exactly」

崇「知らん」
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