ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】3

ーラスタ・ラヴー

小雪「こんにちはーかな」

優日「こんにちは。」

美喜「あら、優日におチビちゃん、いらっしゃい。」

優日「毎日、寒いですね。」

小雪「おチビ…」

澪「オーナー、名前。名前で呼んだげましょう」

美喜「おチビちゃんの方がかわいいじゃないの。ね?」

小雪「か、かわいいかな?」

優日「うん、小雪はかわいいよ。」

小雪「は、はぁ…」

美喜「ちょっと、いつまで寝てるの。客よ。」

澪「オーナー…せめて、「お」と「さん」を着けて…お客さんっていってください。」

悠「ふぁ~あ……らっしゃ~い……」

小雪「やほ~かな。」

優日「ちゃんと労働に勤しんでるね」

悠「なんだ、客いないじゃん」

小雪「ここに居るかな」

悠「酒が呑めないお子様がバーに居ても客とはいわない。」

小雪「呑めないけど子供じゃないかな!」

優日「私は?」

悠「うーむ、微妙な立位置だな。保護者?」

優日「うちの娘がいつもお世話になってます」

小雪「状況がわからないかな!」

美喜「愉快な子ね。」

澪「俺には若干、可哀想にみえましたが…」

悠「っで、何しに来たんだよ。」

優日「悠がちゃんと労働に勤しんでかの確認。」

悠「帰れ。」

小雪「あ、これ、つまらないものですけど、どうぞかな。」

悠「話を聞け。」

美喜「ありがと、なにかしら。」

悠「受けとるのかよ。」

美喜「アンタ、うっさい。」

悠「……」

小雪「ホットケーキかな。」

優日「さっき焼いたのでまだ温かいですよ。」

美喜「あ、いいわね。じゃあ、悠お皿出して。」

悠「うへーい」






澪「デカっ…顔よりデカイホットケーキ初めて見た。」

小雪「一枚にホットケーキミックス二袋使ってるかな。」

優日「焼いてるとき凄いんですよ。フライ返し二刀流でクルンってやって。」

美喜「器用なのね。ちゃんと中も火が通ってて表面も焼きムラも無いし。」

小雪「ありがとうございますかな。けど、このホットケーキの元祖は小鳥くん作かな」

澪「悠が?」

悠「……昔な、超パンケーキがマイブームになってた時があったんだ。学校で調理実習の授業があって焼いたことがある。」

小雪「あのときは驚いたかな。ふだんやる気も何にもないのに大きなフライパン二枚を別々のコンロに置いて、一枚の半面を焼き上げたら、反対側のフライパンに放り投げたかな。」

悠「フライ返しでひっくり返すのは無理だったからな。かたち崩れるのも嫌だったし。」

澪「それでそのホットケーキは?」

悠「一人で食った。昼飯がわりにしたけど、普通に胸焼けした。」

優日「その時から歯止めが効かなかったんだね。」

悠「若さゆえの過ちだ。」

美喜「その過ちが今も続いてるのね…。」

悠「そんな目で見るな。」
59/100ページ
スキ