ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅲ】7

ーラスタ・ラヴ(1/6/夜)ー

悠「ひとつの輪ゴムを両手に持って引っ張る」

マリア「……」

悠「これで片方を離す」
ひゅっ……

マリア「……」

悠「はいも右と左どっちだ」

マリア「簡単右です」

悠「その通り。これは小手調べ。もう一度やるぞ。」
ひゅっ……

マリア「また右」

悠「残念左だ」

マリア「あれ?」

悠「まぁ、両手に輪ゴム持ってるだけなんだけどな。」

マリア「……あー」

悠「仕掛けは単純だけど意外と分からない」

マリア「ふんふん」

悠「こういう小手先の技は覚えといて損はない。」

マリア「なるほど、美味く応用させていけば詐欺とかに使えそうですね。」

悠「まぁな」

ともき「黙ってみてれば何を言いだしてる」

悠「小手先の小技を伝授してる」

マリア「特技を増やしてます。」

ともき「詐欺につかなよ」

マリア「まだネタができてないので」

ともき「出来たらやるんかい!」

緋斗「ネタできたらやるっ!」

悠「……」
ともき「……」
マリア「……」

緋斗「……」

悠「それでお前仕事は?」

マリア「いやー、最近長期契約がなくてー」

緋斗「まさかの総スルー?!」

ともき「色々と今のはお前が悪い」

悠「契約制なのか?」

マリア「正確に言うと、アラファト家政婦協会に家政婦の依頼が届いて、その届いた条件にあった家政婦を選んで派遣するんです。でも、長期の派遣契約なんてないんですよねー。長くて3日ぐらい?」

ともき「ちなみに仕事の内容は?」

マリア「留守番とか家事全般が普通ですね。場合によっちゃ電話番とかもありますけど」

緋斗「でも、自分バイト探しとるらしいやん」

マリア「毎回指名で仕事があるわけじゃないですからね。短期でバイトとか入ってないと精神衛生的に悪いんです」

ともき「精神衛生的な問題なのか?」

マリア「ストレートに金が欲しいのが良かった?」

悠「悪くない」

ともき「よくもねぇよ!!」

悠「ただ、ギャンブルにはハマるなよ。ハマりだしたらおれはお前をぶん殴るかも知れない。」

マリア「マジかぁ」

悠「あと、しもぶくれの潰れ肉まんみたいな顔になってもぶっ飛ばす」

マリア「マジかぁ」

ともき「具体的に二名の顔が浮かんだ」

悠「さて、今日のわんこ……じゃなくて小鳥遊妖怪問題!山の竹藪の中に棲んでおり、竹を切る音を立てて人を化かす古狸。夜になると竹薮から「チョン、チョン」と竹の小枝を払う音が聞こえ、さらに「キィキィ」と根元を切る音がし、最後には「ザザッ」と竹が地面に倒れる音がする。夜が明けてからその竹薮に行っても、竹が切られた痕跡はないというものである。この妖怪は?」

マリア「竹取の翁」

悠「あれは爺が妖怪じゃなくて竹に入ってるのが妖怪だ」

ともき「竹に入ってるの姫様だろ!!」

悠「ニートニート蓬莱ニート!!」

緋斗「竹切狸」

悠「やかましい!!」

緋斗「なんでや?!」
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