ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅲ】6

ーラスタ・ラヴ(10/13/夜)ー

悠「それで緋斗、いつ頭丸める?」

緋斗「なんのこと?!」

悠「いや、寺に入るんだろ」

緋斗「一言も言ってなーい!」

ともき「笑いのためじゃなくて、寺に入るためになってるぞ」

悠「いいんじゃね?住職は金になるぞ」

緋斗「マジで?」

ともき「食いつくなよ」

道玄「ただしそれ相応の坊主としてやっていけなければ意味はないぞ」

悠「おっさん」

崇「教をあげれれば坊主じゃないのか?」

悠「それで坊主ならおれも坊主やれるよ」

道玄「なら頭を丸めろ」

悠「断る。断固断る!いやあぁぁぁ!」

ともき「叫ぶなよ」

緋斗「坊さんの仕事って具体的になんなん?」

道玄「僧侶の本分はご先祖様を供養し、安らかに成仏させることだ。そのために葬儀をはじめ、各種法事で読経を行うなどして故人を弔いを行う」

悠「あとはまぁ、寺院で所有している墓地の維持、管理、紹介とかじゃね?」

ともき「意外と事務的な業務もあるんだな」

道玄「最近だと金銭的な問題などで葬儀を行うことや墓地を持つことが困難な人が増加してる。そうした者を無縁仏になることがないように低コストの葬式や墓地を提案することで、利用者を獲得していることもある。経営を維持するために時代に即した創意工夫が必要とするし寺院の他にも駐車場やアパート、マンションなどの不動産経営を行う僧侶も多い。」

崇「詳しいな」

道玄「鳳がいるからな。」

悠「ああ、あのひと一応住職か」

緋斗「え、女の人でもなれるん?」

悠「当たり前だろ。瀬戸内寂聴とか女だろ」

道玄「住職も何も、鳳は大阿闍梨だ」

悠「ぶっ!」

崇「なんだそれは?」

ともき「えと、何かものすごい修行を行った僧侶さんのことです」

悠「マジ?」

道玄「こんなことで嘘をついてどうする」

悠「いやいや、荒行やったわけ?ラストの9日間、断食、断水、不眠、不臥とか」

道玄「やったんだろうな。儂も監視していたわけではない。だが、本人はやったといっている」

悠「十神将の化け物はおっさんと雲水がずば抜けてると思ったが、やはり鳳さんがぶっちぎりかもしれない……」

道玄「だろうな。儂も人外というタイプは何人も見てきたが、人か怪かもあやふやで分け解からずな生き物は後にも先にも鳳だけだ」

崇「くくっ、アンタが言うと冗談に思えないな」

悠「お前も大概、ひとから離れた領域に要る輩だけどな」

崇「人の道を外れているお前よりはマシだ」

悠「ギィーーー!」

道玄「くははっ。」

緋斗「わー……笑ってらっしゃる」

ともき「笑い声が重強い…」

悠「ったく、小鳥遊妖怪問題!福岡県遠賀郡岡垣村波津(現・岡垣町)の憑き物。海で水死体を見るとこれに憑かれ、急に腹が減ってしまうという。これに憑かれた男が、家に帰って5人前の飯を平らげたという話もある。この妖怪は?」

緋斗「餓鬼!」

悠「誰がガキだ!」

緋斗「ええっ?!」

崇「餓鬼じゃないのか?」

ともき「餓鬼憑きとかそういうんでしょう」

道玄「磯餓鬼、ジキトリ、ナエガツクどれも餓鬼憑きだな」
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