ｰ和龍軒ｰ

悠「じゃまするぜー！」

千夜「……らっしゃい。」

あずみ「いらっしゃいませー。」

悠「和龍すぺしゃる大盛りで二つと焼き餃子、あと瓶ビール二本。」

あずみ「はーい。」

悠「千夜ちゃん景気はどうだ？」

千夜「見たらわかるだろ。くそ忙しい…」

崇「大繁盛だな。」

千夜「えぇ…おかげさまで。朝からずっといるバカまで居ますけどね…↓」

戌塚「お、アニキだぞと」
悠「よっす。戌塚今日は入り浸りか？」

戌塚「入り浸りだぞと」

千夜「帰れよ…。」

戌塚「あずみちゃーん。千夜がつめたいぞと。」

あずみ「え、えーと…」

千夜「あずみ、バカの相手はするな。手動かせ」

あずみ「あ、はい。」

悠「ドンマイ」

戌塚「ちぇ…だぞと」

氷室「ふふ、賑やかですね。となり、失礼しますよ。」

崇「なんだ、薫も居たのか。」

氷室「崇こそ歩きとは珍しいですね」

崇「まぁな。お前今夜は？」

氷室「今日は家族で過ごす予定です」

悠「氷室さんの親父さんってなにしてるんだ。」

氷室「あれ、ご存じなかったですか？」

悠「知らん。っか、独り暮らしと思ってた。」

氷室「いえ、普通に家住みですよ。父は考古学の大学教授で母は株トレーダーです。まぁ、二人とも没頭すると一貫な人で困りますけど」

崇「お前が言うか？」

氷室「そんな、私は柔軟ですよ。」

悠「柔軟っか自由なんじゃないか？」

氷室「あはは、面白い冗談ですね。」

悠「冗談じゃないんだけど…。」

デイジー「千夜様、メニューはまだデスの？」

千夜「ぁあ…そこに掛かってんだろ？」

ローガン『お嬢…自分で開いて見るんだよ』

デイジー「キャストが説明シテクレマセンの！？」

千夜「テメェ…マジにでてけ。」

悠「千夜も大変だな…。」

戌塚「アレでもだいーぶ我慢してる方だぞと、他の客がいなかったら今ごろ暴れてるぞと」

氷室「いやいや、千夜君は口は多少悪いですけど仕事に関しての情熱は本物ですから大丈夫ですよ」

デイジー「この和龍すぺしゃると言うのノ前菜はナンですの？」

千夜「ﾌﾞﾁ……蹴り飛ばしてやるから表出ろ！」

あずみ「ちょ、千夜さん落ち着いてください！」

悠「……氷室さん？」

氷室「崇、グラス空きましたね。注ぎましょうか？」

崇「自分のグラスを持ちながらいうな。」

悠「わぁ…見なかったことにしてるよ」

戌塚「あれが氷室さん最大の強みだぞと。」

悠「スルースキルは現代社会にもっとも必要な能力かもな……。」