ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】3

ー池袋西口駅近くー

悠「うぉぉ…さ、寒い…」

崇「最低気温を更新したらしいな」

悠「どーりで…(こいつの声も零度近くに冷え込んでるし。)」

「キング、ご苦労様っす」
崇「おう」

「はーい、キング~。また、うちの店に顔だしてくださいね~」

崇「ああ。」

「虎狗琥さん。ちゃっす」
崇「おお」

悠「……(すげー挨拶の嵐だな)」

崇「なんだ?」

悠「なんでもねーよ。っか、お前は寒くねぇの?」

崇「寒いよ。」

悠「リアクションが乏しいからわかんねぇ。」

崇「お前は百面相だな。」

悠「どーゆう意味じゃい。」

紅「あれ、崇さんに悠。ちわっす。」

悠「おっす。」

崇「ああ。」

紅「二人で歩いてるなんて珍しいな。なんか、ありました?」

悠「いや、ただの散歩」

崇「お前はなにしてる。」

紅「なーんもしてないっすよ。ただ、コンビニでオデン買ってきたところです」

悠「……えと、誰かと食うのか?」

紅「いや、俺ひとりだけど」

悠「それ、買いすぎだろ…」

紅「あはは~。なんか目移りして全種買っちまってさ。あ、悠食わね?崇さんもよかったらいっしょに」

悠「腹減ったし食う」

崇「カラシあるか?」

紅「バッチリありますよ。どぞ。」

悠「おーあったけ。」

紅「コンビニってマジ便利だよな。」

悠「はひはひ(たしかに)」

崇「食うか話すかにしろ」

紅「崇さん、大根うまいっすよ。」

悠「大根とジャガイモは反則的なうまさだよな。」

崇「ジャガイモ…オデンにか?」

悠「あれ、いれないのか?」

崇「ああ。」

紅「うちもいれないな。ニンジンならいれるけど。」

崇「ニンジン…?」

悠「それは俺もはじめて聞く。」

紅「甘くてうまいぜ。」

悠「変わり種ならトマトがいけるぞ。この近くの飲み屋でうまいとこがあるんだけど、トロットロで最高なんだ今度いかないか?」

紅「いくいく。」

崇「お前の奢りか。」

悠「ま、まぁ…安酒屋だから奢れないこたぁ無いけど…庶民的なこと言うなよ。」

崇「ふっ。悠、いつもいつも、接待される側だと思うなよ。」

悠「えぇ~。どう考えても俺はされる側だろ。」

紅「いや、崇さんだろ」

悠「崇は常に接待されてるんだからたまには接待しろってことさ。」

崇「バカをいうな。俺はさんざんお前にはいい思いをさせてやってるだろ。」

悠「どこがだよ。」

崇「いつでもラスタ(VIPルーム)にあがれるだろ。」

悠「そのぶんお前からの無茶難題を受けてる」

崇「勘違いするな。俺は話を持ってきてやってるだけだ。受ける受けないはお前の意思だ。」

悠「……」

紅「悠の敗けだな。」

悠「うるへー。」
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