ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅲ】5

ーラスタ・ラヴ(8/13/夜)ー

悠「雨、か」

緋斗「なんやべたべたするよな」

ともき「夏の雨だしな。」

豊久「それでも百姓には恵みの雨だ」

ともき「……」

悠「ナチュラルにいるよな」

豊久「なんじゃ?いたらダメか?」

悠「いや、いいけどさ。なんか飲む?」

豊久「芋焼酎」

悠「焼酎でしかも芋か……しぶいな」

豊久「薩摩の男子は焼酎が基本じゃ」

ともき「ああ、薩摩っていえば芋焼酎だもんな…」

緋斗「なぁなぁ、日本酒と焼酎って何が違うん?」

悠「は?」

緋斗「え?」

悠「いや、まず根本が違う」

豊久「日本酒は醸造酒、焼酎は蒸留酒だ」

緋斗「……ん?」

ともき「分かってないっポイな」

悠「だから……ビール、ウィスキー、日本酒なんかは穀物からつくられるが、そのためにはまずデンプンの糖化が必要だろ。ビールなら、麦芽に含まれる酵素(アミラーゼ)によって糖化する。日本酒は、米を精米するためアミラーゼを含む胚芽は除去されるから、コウジカビの作用で糖化する。この後、酵母によってアルコール発酵を行うんだよ。」

緋斗「…………」

ともき「わかってないな」

豊久「その辺りの細かいことは俺(おい)もわからんが。米→醸造→日本酒で日本酒→蒸留→米焼酎ってことじゃ」

緋斗「あー、なんとなくわかった」

悠「ざっくばらんな説明だがわかりやすい…」

ともき「確かに」

緋斗「ほんならワインとかは?」

悠「ワインなら果実→醸造→ワイン。ブランデーなら、ワイン→蒸留→ブランデー。ビールなら麦→醸造→ビール。ウィスキーならビール→蒸留→ウイスキーだ」

緋斗「……いっぺんに聞いたらわからんわ」

悠「ちょっと殴らせてくれ」

緋斗「いややで?!」

豊久「……」
スッ
悠「刀を渡された…斬れってことか」

緋斗「斬ったらあかん!」

悠「斬られるか、ハロハロ買ってくるか選べ」

緋斗「ハロハロ買ってきます!」
ダダッ!

豊久「ふむ、パシリだな」

悠「違うよ。便利な後輩だよ」

ともき「それ、違わないだろ」

悠「とりあえず焼酎のみなよ」

豊久「うむ。かぱっ!ふーーっ。」

悠「一気かよ」

豊久「チビチビ飲んでも酔わんだろう」

ともき「色んな意味で大胆だな」

悠「ちなみに豊ちゃんはどんな女が好きなの?」

豊久「特に好みはないが今はさほど女々に興味もない」

悠「性欲持て余すだろ」

ともき「お前が異常なだけだ」

悠「……」

ともき「……」

悠「小鳥遊妖怪問題!日本に伝わる妖怪の一種で、熊野(和歌山県)の山中などに棲む、一つ目で一本足の姿の妖怪とされるが、地方によって伝承内容には違いが見られるいる。この妖怪は?」

ともき「おい無視か!」

豊久「片足片目の人もおるじゃろ」

悠「妖怪ってんでしょ!!」

ともき「一本だたらとかなんとかだっけ?」

悠「正解。じゃ、帰ろうか」

豊久「アレはいいのか?」

悠「うん」

ともき「待っててやれよ…」
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