ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】3

ーラスタ・ラヴー

美喜「クリスマスイブね。」

澪「ですねー。」

悠「そっちのコード束は向こう側に持ってってくれ。」

「「ういっす」」

美喜「けど、ここまで冷え込まなくてもね。」

澪「クリスマス寒波襲来ってニュース流れてますよ。」

悠「エフェクターの準備は?」

「FUZZでいいっすか?」

悠「DELAYにしとけ。」

「わかりやした。」

美喜「あーやだやだ。風が強いと…」

悠「って、うぉい!なんで俺ばっかり働いてんだよ!」

澪「(あ、やっとツッコンだ。)」

美喜「なんでって……そこに居るからでしょ。」

悠「山があるから山に登るみたいに言うな。」

美喜「バイト代は(本郷が)出すんだからいいでしょ。」

悠「いや、その本郷はどこに消えた。」

澪「わからない。」

悠「即答…。」

澪「仕方ないだろ。けど、本郷さんの行動は大きく分けて三つだ。ひとつ、崇さんの運転手。ふたつ、音楽活動。みっつ、その他雑務。」

悠「割合は?」

澪「7:2:1かな。」

悠「ほぼ崇じゃねぇか」

崇「そこまでコキ使ってるつもりはない。」

本郷「ふっ…。」

悠「噂をすればなんとやら……よう。王様も今日は朝からクリスマス気分か。」

崇「そういう、お前はいつから工作係になった?」

悠「好きでやってる訳じゃねぇよ。成り行きだ。」

崇「澪、六花は?」

悠「シカトかい。」

澪「さぁ、今日はまだ見えてませんよ。配達かなんかじゃないですか。」

悠「果物ってちょっとしたパーティには必要だもんな。」

崇「そうか。」

美喜「どうかしたの?」

崇「いや、夜のライヴの打ち合わせなんかをするだろうから本郷を預けにきた。」

本郷「ふっ…。」

悠「それより。本郷、渡された図面と同じように配置したつもりだけどいいか?」

本郷「ふっ…。」

悠「わかんねぇよ。」

本郷「……ふっ…。」

澪「親指立てた。」

悠「OK…ってことか?」

本郷「ふっ…。」

美喜「うなずいたわね。」

悠「まぁ…ならいいや。楽器とかのは自分でやってくれよ。俺にはわからんから」

本郷「ふっ…」

崇「悠、お前はこれからどうする?」

悠「まだ日も高いしブラブラするよ。寒いけど」

澪「夜には戻ってくるのか?」

悠「あぁ、バイト代は六花ライヴのチケットだし。」

本郷「ふっ…」

悠「さぁて、じゃまた後でな。」

美喜「良かったら、洗い物していかない?」

悠「全力で遠慮する。」

美喜「ちぇ…」

崇「悠。俺もいく。」

悠「は?俺についてくるのか?」

崇「暇だからな。」

悠「俺についてきても暇は潰せないぞ。」

崇「お前を見てるだけで暇潰しになる」

悠「……勝手にしてくれ。」
37/100ページ
スキ