ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

悠「すっかり秋だよな。もう外真っ暗だぜ。」

美喜「秋の夜長でいいじゃないの。」

悠「まぁな…けど、なぁんか秋が深まると……腹へるな。」

澪「天高く馬肥ゆる…食欲の秋か?」

悠「まぁ、食欲は年中だけどな。あ、そうだ。新宿に沖縄料理の店あんだけどいかないか?」

澪「悪いな今日のバイトはフルタイムだ。」

美喜「他の人誘いなさい。」

悠「誰か行きたい奴はいるかー?」

亮「ほーい。」
千草「ここに居るぞー!」
悠「なんだ、居たのかお前ら。」

亮「友人に対する言いぐさじゃないな。」

千草「折ってやろうかしら。指とか…」

悠「真顔で言うな怖ぇよ。」








ー新宿ー

店員「ハイサイ。ご注文は?」

悠「えーと、マース煮と足ティビチ、クーブイリチーにフーチャンプル。クファジューシーをお願いします。」

千草「あい変わらずアンタ人に注文させないのね。」
悠「俺に任せときゃ間違い無いんだよ。」

亮「てゆーか、さっきの注文なにがなんだかわかんないんだが。」

店員「足ティビチとクーブイリチーです」

亮「うっわ……豚足って初めて食ったけどトロトロッのホクホクだ…。」

千草「一緒に煮込んである豆腐も昆布のお出汁がしみてておいしい……」

悠「かぁ~…クーブイリチーの蒟蒻もプルプルだ。唐辛子のピリ辛がビールに合う合う」

店員「フーチャンプル、マース煮お待ちです。」

悠「あむっ……フがポッテリ、もちもち…だ」

千草「なにこれ、美味し!ごま油の風味もいいし、見た目よりガッツリ入るわね。」

亮「この魚デカっ…これがマースって魚か?」

悠「ちげえよ。マースは沖縄の言葉で塩って意味だ。そいつはオジサンだろ。」

亮「オジサン?」

悠「南日本に分布するヒメジ科の魚だ。」

千草「じゃあ、塩だけでつくってるのね。ハク……う……う……うまっ!」

亮「身柔らか…なのにしっかり味ついてるし。うわ、箸が止まらないぞこれ!」

悠「おい、俺の分も残せよ!」

千草「豆腐とネギがあるじゃない。」

悠「うぉい!」

店員「はい、クファジューシーよ。」

悠「ジューシーは雑炊からご飯料理全般を指す言葉だ。クファジューシーってのはかたいご飯…つまり炊き込みご飯だ。」

亮「腹一杯なのにこれだと何杯でも食えるな。」

千草「この沖縄カマボコってクニクニして癖になりそう。」

悠「すいませーん。デザートにサーターアンダギー揚げてください」

店員「はいはーい。」

亮「ふはふは、うまーい!」

千草「外はカリカリなのに中はふっかりっで……もうさいこー。ね、もう二個くらい焼いてもらってよ。」
亮「え?」

悠「いや、四個くらいいけるだろ」
95/100ページ
スキ