ｰラスタ･ラヴｰ

悠「本気で名店の予約がひっさびさにとれた。」

「「「「……」」」」

悠「二名まで同行可能だ、誰か行きたい奴は居るか。」


「「「「ここにいるぞー！」」」」

悠「二名までってんだろ。」

紅「ゆ･う。俺ら親友だよな。」

亮「付き合いは俺らの方が長いよな？」

ともき「そうだな。」

鈴猫「やっぱり同行は女の子がいいよね。」

炎銃「俺が行ってやる。ありがたく思え。」

梓「悠、悠。俺なら遠慮しないぞ。」

優日「いきたいなぁ。」

澪「悠、どうすんだ。収拾つかなくなってきてるぞ。」

美喜「頼むから暴れないでよ。」

悠「しゃあねぇな……。よし、今から俺とじゃんけんだ。皆、一斉に手を伸ばせよ最後まで勝ち残った奴を連れてく……じゃーんけん………」









ｰ萩窪駅近くｰ

澪「それでなんの店行くんだ？」

悠「着いてからのお楽しみだ」

【売りきれ終了致しました。】

ともき「あれ、もうこの店終わっちゃてるぞ」

悠「あーそれはな予約したお客で仕入れた鰻が無くなったて意味だ。ちゃんと人数分うな丼と白焼き予約してあるからダイジョブだ。入るぞ。」

澪「なんかいかにも鰻屋さんて風情でいいな。」

ともき「っか、まさか勝ちのこるとは思わなかった。」

悠「それよりいつの間にか小雪たちも参加してたのが俺は驚きだったよ。ま、二人ともまずはビールで乾杯しようぜ。」

澪「乾杯」
ともき「乾杯」

梓「にしても本当に風情あるな…障子仕切りに畳み張りだし」

悠「夏は団扇なんかを人数分よういしてくれたりするんだぞ」

澪「……」

悠「……」

ともき「……」

澪「あのさ俺が黙ってる時は二人がほどよく話してくれないと何か沈黙が気まずくない？」

悠「へ？」

ともき「や全然」

＊この時、澪は気付いた。

澪「……(家族！家族になっちゃてるよこの人たち。)」

悠「？」
↑
＊もうお互いの存在が空気と同様
↓
ともき「？」

澪「んっ…あーこれ、つきだしの卵豆腐かと思ったら卵豆腐の入った胆吸いなんだ。」

ともき「張ってある冷たいおだしがおいしい…」

店主「失礼いたします。白焼きになります。」

澪「うはぁ…胆が乗ってる…うまそう」

悠「俺は無理だが二人はわさびを乗っけて土佐醤油をつけて食ってみ。」

ともき「うわ…醤油にあぶらが浮く浮く…はむ…うま！うますぎ！」

澪「なんで、タレついてないのにほんのり甘みがある！うなぎのあぶらが甘いんだ～～わさび乗せるとますますとろっと甘いよ！」

ともき「うわーどーしてあぶらってこんなにおいしんだろ！」

悠「知らないのか、にくづきに旨いと書いて「脂」と読むんだぞ。」

澪「……」
ともき「……」
悠「……」

ともき「ナイス！」
澪「グッ！」
悠「グッ！」

＊悠の蘊蓄もたまには場を和ませる。

店主「うな丼です」

悠「うわあ～来た来た。てりってりのつやっつや。山椒をたっぷり振ってかっこむのが最高いや、超高なんだよ！なんだよ！」

澪「うわっ、皮までふぁっふあっ！！」

ともき「タレはさらさらであんまり甘くなくって…もーとにかくふんわりでおーいしーいー！」

悠「くどくないから白焼き食べた後でもするっとはいっちまうだろ。」

ともき「はー…満腹だ」

澪「幸せの一瞬だった……」

ともき「なぁ、悠。本当に奢りでいいのか？自分の分くらい出すぞ。」

悠「気にするなどうせ俺の金じゃないし。うな丼2600円、白焼き3000円だから…計17400円くらいだし。」

澪「うそ、安っ！」

悠「言っただろ名店だっつ」