ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

森下「ひとつお願いがあるんだけど」

悠「断る」

美喜「……」
澪「……」

森下「ちょ、まだ何もいってないよね!?」

悠「すいません。なんか嫌な予感しかしないのでお断りします。言わないでください。」

澪「鬼だな」

森下「少しは聞いてくれよ!いや、聞いてください。お願いします!」

悠「だが、断る!」

美喜「話ぐらい聞いてあげたら?」

悠「え~~」

森下「実はね…コラムの事なんだけど、上層部の受けは良いんだけど…本当に探してるのかって疑われてね」

悠「疑われるも何も人(俺)任せじゃん。」

森下「耳が痛いお言葉だ。それで次紹介するお店に上司を接待しなくちゃいけないんだけど…どうかひとついいお店を教えてくれない?」

悠「たまには自力でさがしたらどうだ?」

森下「教えてくれたらそのお店は奢るし、僕のポケットマネーからボーナスを出すよ。」

悠「仕方ないなぁ…早速いこうか。」

澪「変わり身早…」

悠「いっしょに行くやつはいないかー?」

紅「ここにいるぞー!」
炎銃「ここにいるぞー!」

悠「よし、いくぞー!」

「「「おー!」」」

澪「……あのメンツでダイジョブっすかね?」

美喜「うーん…森下さんの財布は一足先に真冬到来かな」











ー駒場東大前駅近くー

悠「ここ、洋食屋と居酒屋が合体したような店なんだ。ソフトシェルクラブの唐揚げと自家製あらびきソーセージ、あとボラーチョスープ、エビグラタン、カニクリームコロッケにタンシチューにブイヤベース。ワインはマテウスロゼで」

*勿論、悠が独断で遠慮なく注文します。

おばちゃん「はいよ。」

悠「さて、食う前に森下さん、上司に店の事を聞かれたらこう答えろ。店の雰囲気は『店の居心地がよくて一度はいるとつい長居してしまいますよ。』季節料理は『冬には生ガキがあるからオススメです』予算は『だいたい三千円~、たらふく食べても五千円くらい』この三つでだいたいうまく行くから。」

森下「僕より説明が上手だ…」

紅「悠は将来コラムニストになればいいな。」

炎銃「けっ、ごちゃごちゃうるせぇなぁ。バリバリ……うめぇ!」

悠「おま、なに一人でソフトシェルクラブの唐揚げ食ってんだよ。」

紅「このカニ塩レモン味の塩加減絶品だ。」

森下「自家製ソーセージもあらびきでブツブツしてて上にかかってるピザソースみたいのがまた甘くて美味しい…。」

悠「皆、ワインもいけよ。」

炎銃「甘くっておいしぃ……なんだよ?」

悠「お前も可愛い声とか出るんだ痛ぇ!?」

おばちゃん「ボラーチョスープとエビグラタンだよ」

紅「うま!これうま!あさりたっぷしトマトクリームのスープだ。」

悠「んまいっだろ。具だくさんのオリジナルスープ!ここホワイトソースがうますぎだから食ってみ、食ってみ!」

森下「あ、ホントだエビグラタンのホワイトソースさらっとしててんまい」

おばちゃん「カニクリームコロッケにタンシチューにブイヤベースでーす」

森下「ズズッ………!(ブイヤベースの澄んだスープ魚介のだしが効いててうまいよ…!!)」

紅「サクッ…っろ…やべ…カニクリームコロッケ、サクトロだ。しかもタルタルソースたっぷりで美味い。」

炎銃「はぐはぐ…んぐっ…タンシチューも見た目よりあっさりでするっと腹に入る…」

悠「あ、そだ。森下さんもう一つあった。洋食メニューをたらふく食ったあとにはこのマテウスロゼは甘くて微発泡だから相性最高なんだ。」

森下「……ありがとうね。悠くん。僕のために……」

悠「ちゃんとボーナスとここの支払いは忘れるなよ。」
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