ｰラスタ･ラヴｰ

美喜「でも、ほんとに優日って大食いなの？スタイル良いのに……」

優日「自分でいうのもアレですけど大食いは本当です。スタイルはよくわかりませんけど」

美喜「ちょっと、お姉さんにスリーサイズと体重教えてみなさい」

優日「え、えぇ…」

澪「オーナー…それ、間違いのないセクハラです」

美喜「ほら、耳貸すから、言ってみ」

優日「えーと…ぽしょぽしょ……」

美喜「はぁ？！それ、ほんと！嘘だと揉むわよその着痩せ胸！」

悠「手伝おう」

澪「悠、今年一番にいい顔だな。自重しろ」

悠「サーセン。さて、じゃそろそろ行くか。」

優日「あ、うん。」

禅「今日は…どちらへ…？」

悠「フレンチ食いに。美味で量が多いって評判なんだ。」










ｰ日比谷線銀座駅近くｰ

マダム「いらっしゃいませ。二名様でしたらアラカルトでオーダーできますが？」

悠「じゃあそれで。」

マダム「では、こちらのメニューボードからお好みをお選びください。大体お二人でしたら前菜を二種類と魚料理と肉料理を各一皿ずつお取りになってそれをシェアなさるくらいがちょうどいいと思いますよ。」

悠･優日「「……」」

悠「あのう肉料理を二皿頼むのは多すぎますか？(牛も子羊も頼みたい…)」

マダム「ああ、それはやめておいた方がいいですよ！うち本当に量が多いので！」

優日「じゃあ前菜二皿と肉料理二皿ならいいですか？」

マダム「ええ…それなら何とか…」

優日「ノドグロのごま付け焼き洋ねぎとルーム貝添えも頼みたかったなぁ…」

悠「ズワイガニとアスパラガスのシャルロット風サラダもだよ優日しゃん」

マダム「食前酒のキール･インペリアル。アミューズ(付きだし)は卵とイクラのタルトレットです。」

悠「ん！タルト生地の塩気がんまい！シブレットの風味もいいし。」

優日「シブレットって万能ネギのもっと細いのみたいだね。緑色がきれい……うん、私ここ絶対好き。塩が効いてるのに濃すぎない」

悠「知ってるか？素材の味を生かすために最小限しか塩を使わないのが日本料理で素材の味を殺さない限度ギリギリまで塩を振るのがフレンチなんだぞ」

優日「そうなんだ」

悠「そうなのさ」

＊年頃の娘相手につまらん蘊蓄を傾けるオヤジのような悠である。

マダム「生ウニのコンソメゼリー寄せカリフラワークリーム添えとあかざえびのソテージャガイモカリカリ焼きサラダ仕立てです。」

優日「うわ、生ウニの量が凄いよ魚屋で売ってる一舟分はゆうにある。」

悠「海老もでか野菜もたっぷり」

優日「おいし…ゆるゆるのコンソメゼリーとクリームのソースがウニともう…」

悠「細かく切ったじゃがいものパンケーキみたいだ…フレンチドレッシングがどうしてこんなにうまい…はやく半分こしよう。」

マダム「子羊の網脂包み焼きと和牛ホホ肉のはちみつ入り赤ワイン煮です」

優日「はぐっ……踊りたい…踊りたいけどここでは踊れないわ…甘くて濃厚で肉がとろける…」

悠「うまーーい！子羊やばい！基本的に塩味なんだけどその塩味がサイコーにうまい！」

優日「半分こ！半分こ！」

悠「……なぁ、ノドグロもいけね？」

優日「……たしかに…すいませーん追加を…」

マダム「あ、ごめんなさい。ラストオーダーの時間過ぎてしまったの」

優日「残念。」

悠「ま、デザート食えるし。」

マダム「……」

悠「すいません。デザートお願いします。ブランマンジェで」

マダム「お待たせしました。ブランマンジェとクレームブリュレです」

優日「え？これ私たち頼んでませんよ。」

マダム「サービスです。お腹…空いていたのね…(ﾆｺｯ)。」

悠･優日「「……(またやっちゃった)」」











オマケ

優日「今わたし、腹筋をやってるから食べてもお腹でないの。」

悠「俺も人のこと言えんが食ったものはどこにいってるんだ？」