ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~10

ーラスタ・ラヴ(3/22/夜)ー

悠「あれ……」

ともき「なんだ?」

悠「奥歯が痛い」

ともき「虫歯じゃないのか?」

悠「おれは生まれて一度も虫歯になったことが無い」

ともき「だからなったんじゃないのか?」

悠「……」

ともき「……」

悠「えっ、ともきにはおれの頬がどうなってるか見えてない?」

ともき「手形がついて真っ赤に腫れてる」

悠「見えてるよな」

ともき「見えてるよ」

悠「それを含めたうえでもう一回言うが奥歯が痛い」

ともき「虫歯じゃないのか?」

悠「きぃぃぃ!」

ともき「それだけ歯くいしばって叫べるなら平気だろ」

京「神姫姐、本気で叩きすぎだぞ」

神姫「一発だけで許してあげたんだから、感謝されてもいいほどだわ」

悠「首がぐきぃってなって、奥歯が痛いほどのビンタただったけどな」

神姫「一発だけなら、その一発に全力を込めて痛くするべきでしょ?」

悠「えー……」

京「悠、大丈夫か?」

悠「正直大丈夫ではない」

ともき「気にしなくていいよ。本当に大丈夫じゃない人間はここまでベラベラ喋らないし」

悠「いや、痛いのはホントに痛いから」

神姫「耳聞こえてる?」

悠「はい?」

神姫「痛くしたっていってるのに痛くなかったらおかしいでしょ」

悠「なんて理不尽なんだ。叩かれた上に心までへし折られそうだ」

ともき「お前はどっちも壊れないから安心しろ」

悠「どういう意味だ?」

ともき「面の皮は分厚く、無駄に元気って意味だ」

悠「きぃぃぃ!」

京「よかった、悠は元気だ」

神姫「元気じゃないときは死ぬ時だから安心しなさい」

悠「いや、おれだって年に四回くらいは落ち込むから」

ともき「春夏秋冬に一回ずつか」

悠「どやぁ」

ともき「口で「どやぁ」っていうな。っていうか、ドヤ顔している理由が分からん」

悠「考えるな感じるんだ」

ともき「……」

神姫「痛みを感じなさい」
ピッ……ドンッ!

悠「ひぎぃっ!」

ともき「すいません、助かります」

神姫「イラっとしたらぶん殴ったらいいのよ」

ともき「いや、コイツ素手で殴ったら無駄に固いじゃないですか」

神姫「目玉とか鼻っ柱、首を狙うのよ。絶対に鍛えられない部位だから」

悠「目玉とか鼻っ柱殴られたらシャレにならないから、咽も致命傷になるし」

ともき「やっぱりガラスの灰皿が安定かな」

悠「知ってる?それってひと殴るもんじゃないし殴ったら鈍器だからね。」

京「悠は己が守る!!」

神姫「これは悠の鍛錬なのよ」

京「なら、邪魔しない!」

悠「純真て怖いわ……」

ともき「いや、お前が普通にしてたらいいだけだからな」

悠「だが断る。」

ともき「……」

悠「おれのもっとも好きなことのひとつは「自分が正しいと思っている奴にNOと言ってやる事」だ!」

ともき「じゃあ好きにしろ」

悠「……そう放りだされるとそれはそれで辛い」

ともき「あぁ、めんどくさい」
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