ｰ中野駅ｰ

悠「うーっす」

澪「誘ったやつが一番遅いってどうだよ」

美喜「まったくね。」

悠「いやー悪い悪い。普通にラスタに行ってた。」

美喜「アンタねぇ…」

森下「まぁまぁ、予定時間には間に合ってるしいいじゃないか。悠くん今日はよろしくお願いするね。」

悠「中野五差路を曲がったらすぐそこだから」






店員「いらっしゃいませ。ご注文は？」

悠「魚介サラダバジリコ風味とカニのトマトクリームリゾットとイカスミのスパゲティ、あと鯛の香草焼きエビソースひとつ。あ、それにサラダにはパン一人前つけてくださいワインはガヴィ･デ･ガヴィ」

澪「俺たちに選ばせないのかよ。ピザとか食いたかったの。」

悠「俺の言いなりになってりゃいいんだよ。それにピザなんか頼んだら他のものが食えなくなるだろ。」

森下「あっそだ写真も撮らないと取材だからカメラ持ってきたんだ。」

美喜「忘れないように机の上に出しといた方がいいんじゃない？」

森下「そうだね。」

悠「けどさ、旅行いったときよくやらないか？旅館とかで夕食の舟盛りとか写真撮ろうとするけど結局忘れるの。」

美喜「あるある！それで残骸だけになったお皿見て、あっ！って思い出したり。」

店員「魚介のサラダバジリコ風味です」

悠「えび、タコ、いか、ホタテにバジルソースがかかったもんだ。この緑色のソースがウマインだよ。見た目を裏切る味をするから。」

澪「へーいただきます。」

「「「あむっ…」」」

澪「うっうまいなオイ！この緑色が。」

悠「バジルソースな」

美喜「見た目はしょっぱ酸っぱそうな味に思うけどほんのり甘いわね。」

森下「魚介の旨味があって美味い…。」

悠「ほんでこのソースをパンにつけて食べんのがまた旨いんだよ。」

美喜「ねぇ、森下さん写真は？」

森下「……あっ。と、とりあえず撮ろうかな」

悠「陵辱の限りを尽くしたっつー感じだけどな俺たちがレイプした。」

澪「その例えやめれ。」

店員「はい、カニのトマトクリームリゾットでーす」

森下「うわ…カニ味濃い！ガツンと濃厚。」

悠「がっつりカニのダシ味がするトマトクリームソースが美味いんだよこれが！！」

美喜「私イタイアンとか食べたいときってガツンとした味のものが好きだからいいかも」

澪「森下さん！」

森下「ん？」

澪「また写真忘れてる」

森下「……」

悠「ダメ人間だな。」








店員「食後のデザートはどうしますか？」

悠「デザートはカラタナとクリームリコッタとを一つずつ。飲み物はコーヒー四つお願いします。」

店員「はいはい。」

澪「まるで店の回し者だな…俺らに選ぶ余裕を与えないとか」

美喜「ま、今日は悠の手腕に任せていいんじゃない。」

森下「というか悠くんここのメニュー全種類制覇してるのかい？」

悠「いや、チョコティラミスとチョコレートケーキは手を出してないんだ。チョコ苦手だから」

＊悠はいったん気に入ると執拗にその店のメニューを喰らい尽くす悪癖がある。