ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

森下「やぁ、久しぶり。」

澪「……」

美喜「……」

森下「あ、あれ?」

美喜「ヒソヒソ(えと、誰だっけ?)」

澪「ヒソヒソ(ちょっと、待ってください。なんか……見たことあるような)」

森下「コラムニストの森下、森下社(もりしたやしろ)!」

美喜「あぁ…?」

森下「……覚えてないんですね。」

澪「あ、あはは…俺は覚えてますよ。今日はどうしたんですか?」

森下「あ、うん。今ね東京の美味しいお店を紹介しているんだけど…どこかいいお店知らないかな。」

澪「あれ、ストリートの事件を追ってたんじゃないんですか?」

森下「いやぁ、じつはこの度お店紹介のエッセイも頼まれてね。仕事が増えて嬉しいくも忙しいんだ」

澪「はぁ…けど、そーゆー仕事って普通自分の足で見せ探して食って書くんじゃないのか?」

森下「う……痛いところつくね。」

美喜「どーゆーこと?」

森下「恥ずかしながら僕が行く店っていえば吉野屋とかケンタやマクドナルドしか思い浮かばなくて」

澪「それ典型的に料理コラムには向いてないよな。」

森下「はは…。そのとおりなんだ。だから、こんな事を頼むのは心結ともないんだけど誰か色んな店を知っている人を紹介してくれないかな。」

美喜「そう言われてもねぇ。具体的にどんな人がいいわけ?」

森下「そうだなぁ…高級なお店親しみやすいお店も知っていて和洋折衷どんな店も網羅している人がいいかな。」

美喜「思い当たる奴が一人浮かんだわ。」

澪「俺もです。けど…そうそうタイミングよく…」

悠「よーっす。なぁなぁ、イタリアンのいい店見つけたんだけど行かないか。生たこのカルパッチョからすみソースが絶品でさぁ」

澪「うわ、超タイミングいいな。」

美喜「良すぎて腹立つわね。」

悠「え、なに、この空気歓迎されてる?されてない?」

森下「はいはい!是非そのお店に案内して欲しいな!」

悠「誰だこのおっさん。」

森下「やっぱり忘れられてる…というかオッサンは酷くないかい?!」

悠「冗談だよ。森下さん、アンタのコラム毎回読んでんだぜ。」

森下「ほ、本当かい?!」

悠「あぁ(俺の名前出したらブッコロスためにな)。それよりイタリアン行きたいのか?」

森下「実は~~~…」

悠「なるほど、料理のコラムなぁ。」

森下「うん。勿論経費はこっちが出すし手伝ってくれたら謝礼ははずむよ。どうかな?」

悠「ふむ。悪くない話だな。」

森下「だろ!だろ!」

悠「じゃあ明日からいくか。夜八時に中野駅に待ち合わせでどうだ?」

森下「オーケ、ありがとう。じゃあね、悠くん!」

澪「……よかったのか?」

悠「まぁ、タダメシ食えるしいいだろ。良かったらお前も来るか?」

澪「イタリアンか…予定が空いてたらいくよ。」

悠「おう。」
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