ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

紅「そういや、千夜はなんで怪我してんだ?」

千夜「……別に。」

悠「掴まれて投げられたんじゃないか?」

千夜「……」

紅「正解?」

千夜「ちっ、そーだよ。」

紅「よくわかったな。」

悠「にゃに、普通の捻挫なら足首の側面部に腫れができるけど、靭帯側に捻ってるっぽかったからな。」

紅「へぇ。んで、負けた?」

千夜「誰に物言ってる……負けるわけねぇだろ。前歯へし折ってやったよ。」

悠「うわ、怖……」

紅「ちゅーか、千夜ちゃんに喧嘩売る骨のある奴なんかいるんだな。」

千夜「ふん。こっちはテメェと違って、恨みはその辺に転がるほど買ってるからな……氷室さんもいねぇし。」

悠「荒れてるなぁ。」

紅「悠も人の事は言えなくないか?」

悠「んな、バカな。俺は歩く善人て御近所では噂が持ちきりなんだぞ」

美喜「何処の御近所よ…」

悠「まぁ、冗談はお片付けして。千夜を投げたのは柔術を習ったやつだったのかもな」

紅「柔術って寝技じゃないのか?」

悠「現代柔術は寝技のが多いのが確かだにゃ~。けど、本来の柔術は組み手からの投げや、カウンターを狙う後の先のスタイルだずぇ」

千夜「うぜぇ戦法だな…。」

悠「そーいうけど、防御は基本だじぇ。特に柔術や合気道みたいなのには距離をとって戦わないと簡単にやられちゃうからな。近接は相性わるいじぇい」

紅「近づかないでどうしろと」

悠「掴まれる前に殺る。または、掴まれても振りほどく。」

千夜「それは……」

紅「当たり前の事じゃないのか……」

悠「当たり前の事が一番近道だったりするのだよ。」

紅「けど、悠ならこう奥の手~みたいのがあるんじゃないか」

悠「うちに帰れば猫の手か孫の手くらいならあるけど……」

「「「……」」」

澪「悠、これ読めるか。」

『空気』

悠「からけ……コホン、まぁ、奇策や裏技なんてのは凄そうに見えるけど一回こっきりしか使えないからな。正攻法ってのが一番なんだよ」

千夜「なら、お前はどっちなんだよ。」

悠「俺なら前者を選択するけどな。掴まってから振りほどくなんてよっぽどじゃないとまず無理だ。掴みから投げ、捻り、抜き…まず外せないだろう。」

紅「ちゅうことは足を狙うのがありか。」

悠「そうだな。ローキックならいいかも。ハイとかミドルだと千夜みたく掴まるから。」

千夜「二度は掴まんねぇよ」

悠「まぁ、別口の手もあるんだぞ」

紅「別口?」

悠「投げられそうになったら道連れにする。互いに受け身とれないからダメージは保障する。ただ、そのまま叩きつけられるリスクともある。」

紅「ハイリスクだな。」

悠「まあ、ノーコストでは攻められないってことだにゃ」
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