ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~9

ーラスタ・ラヴ(12/31/夜)ー

ともき「俺はもう帰るぞ」

悠「えー、まだいいじゃん」

ともき「いいや、お前に付き合ってたらずるずると年越しまで居さされそうだし」

悠「バカ言うな」

ともき「違うのか」

悠「初めっからそのつもりに決まってんだろ」

ともき「……」

ぎゅっ!
悠「ヴぎゃっ!!て、左手だめっ!」

ともき「それじゃよいお年を、崇さんも」

崇「本郷に車をまわさせてあるからそれに乗って帰れ」

ともき「何から何まで申し訳ないです。失礼します」

崇「あぁ」

悠「いでーよ。いでーよ……!」

碧「お前も大人しく帰ったらどうだ」

悠「何でかな……深夜0時を越えないと帰ったらいけない気がするんだ毎年」

碧「なんのルールだよ」

崇「今までは仕方なしだったのが今は自主的にしてないか?」

悠「そんなわけ無いだろ」

崇「まぁ、好きにすればいいが」

悠「っか、お前はどうなんだ」

崇「明日からまた色んなところに引っ張りだこだ」

悠「そらご苦労さん。」

崇「お前も呼んでやる」

悠「崇メインのパーティに呼ばれて顔を出したらろくな目に合わないから嫌だ」

崇「女も多いぞ」

悠「……」

碧「分かりやすく揺らいだな」

悠「いやいや、ははっ。」

崇「まぁでもお前に女は紹介する必要ないか」

悠「なんでだよ」

崇「ともきの片割れと夏目。」

悠「ごほっ、ごほっ!」

拳二「おー、やってんな!」

悠「結局お前も現れるんだな」

崇「良いタイミングで話がそれてよかったな」

悠「……」

拳二「そうだ。ここにくる前までお前の親戚と飲んでたんだけどよ」

悠「……だれ?」

拳二「窈だよ。小鳥遊窈」

悠「……だれ?」

拳二「お前ときどきホントに酷いな」

悠「っで、そいつがどうした」

拳二「いや、アイツ子供好きなのか?」

悠「悪い意味で好きだ」

拳二「は?」

悠「いや、何でも無い」

崇「そうだ。お前らが揃ったから面白い話しをしてやろう」

悠「なに?」

崇「王が殺し屋に狙われてるらしい」

悠「……ん?」

拳二「死んだのか?」

崇「いいや。王は生きてる。ただ、事務所のひとつがボカンッだ」

悠「爆弾でも送られて来たのか?」

崇「いいや、ガソリンを大量に積んだ軽トラックが突っ込んできたらしい」

悠「よくそれで生きてたな……」

崇「無傷だったのは奴だけだ。事務所に居た人間の半分は死んで半分は今も入院してる」

拳二「あぁ、ニュースになってたな。それにしてもアレに王が関係してたのか」

悠「いや、全然面白い話しじゃないんだけど」

崇「そうか?」

悠「っか、殺し屋にしてはやり方が雑すぎだろ」

崇「捨て駒に特攻させたんだろ。」

拳二「哀れだなぁ、しかもターゲットは無傷とか……」

悠「っか、年末のカウントダウン寸前になに聞かされてるんだおれは……」

崇「ははっ、年明け早々には王に会わないようにしとけ。巻き込まれるぞ。」

悠「げぇー」
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