ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

拳二「なぁ、頼むよ。一回だけでいいんだよ。」

悠「ぜ・っ・た・い・に・い・や・だ!!」

拳二「頼むって、俺がこうして頭まで下げてんだろ?」

悠「どこがだ。ふんぞり返って胸筋揺らしてるだけだろ。この動く大胸筋が!」

拳二「はぁ…お前は少しは目上に対する礼儀っうのが無いのか?」

悠「相手によるだけだ」

美喜「って言うか、アンタ尊敬してる人とか居るわけ?」

悠「桐生さんとかリスペクトしてるぞ」

ともき「ゲームじゃないか…」

悠「悪いか?」

ともき「別に」

澪「実際の人間ではいないのか。」

悠「うーん…柳じいさんは世話になってるけど尊敬とは違うだろ。親父は…置いといて、柏は死ねばいい。梔姉さんは…尊敬っか、姉的な存在だし。しいて言えばオフクロとかかな。」

ともき「悠のお母さんか。」

澪「どんな人だったんだ。」

悠「カリスマ主婦かな。ガキ自分の俺でもすげぇって思えたしな。」

ともき「例えば?」

悠「暇潰しのスケールが桁違いだった。一万ピース、二万ピース、三万ピースのジグソーパズルを同時進行で完成させた」

拳二「うげ…俺は無理だ。あんなこまごましたもんやってらんねぇ。」

ともき「悠の広間に飾ってあるあの超でかいジグソーパズルってもしかして…」

悠「マイマザーの作品だ。」

澪「たいした技術力だな…。」

悠「他にもあるぞ。ある日、トマトを使った料理を作ったんだ」

美喜「トマトってカレーとか?」

ともき「パスタかな。」

悠「いや、細かく切って味付けして……また組み立てた。」

「「「はい?」」」

悠「だから、トマトでトマトを作ったんだよ。」

ともき「どんな料理だよ。」

悠「あと……包丁を研いだあと扱いを注意しないとまな板ごと真っ二つになったり。親父と喧嘩した日はやたら凝った仕返し弁当をつくったりしたそうだ。」

ともき「悠のお母さん凄いな」

悠「凄いと思うよ。身体小さいのにパワフルな人だったし……。ま、出来ることなら生きててほしかったな。そうしたら俺も少しはマトモな人間になってたかも知れないし。」

拳二「お前は歪んでる方がいいぞ。」

悠「どーゆー意味だ筋肉ゴリラ」

拳二「よぉし、お前とは一度キッチリと話を着けないといけないと思ってたんだ。クソガキ。」

悠「ぁ?」

拳二「あぁ?」

美喜「はいはい、店の中で暴れないで。暴れるなら……殺るわよ?」

悠「ふん。気分悪い俺は帰るぞ!」

拳二「けっ!」

ともき「あの…それで、瓦谷さんは結局なにが言いたかったんですか?」

拳二「バカだのなんだの確かに言われてるが性根は腐ってない。あんな風に動けるなら今のままがいいっうはなしだよ」

ともき「あぁ…」

澪「はは。そうっすね」
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