ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~7

ー三日月(4/17/夜)ー

悠「塩ゆでした菜の花を荒みじんに刻んで水切りした豆腐と合える味付けは甘味を抑えて砂糖少なめ、白出汁大目で完成です」

凛「あむ……うん、ほんのり苦みがあって美味しいわ」

悠「でしょう。ほうれん草より大人な味でけっこうこれだけでオカズにもつまみなるんすよ」

凛「うん、いいわね。今日はこれもメニューに加えてみるわ」

悠「お役に立てて光栄です」

凛「ふふ、でも、何だか頼りっぱなしね」

悠「そーすか?」

凛「というか……お客さんに料理させてる時点で間違ってるんだけど」

悠「細かいことはいいんじゃないすか?おれは自分の店に来た客でもときどき働かせますし」

凛「……それはそれでいいの?」

悠「余裕です」

凛「そ、そう」

悠「っか、開店時間前にいれてもらってるし、それでトントンでしょ」

凛「そういってくれるのならありがたいわ」

コンコン……
コンコン……

悠「あれ?客か?」

凛「おかしいわね。まだ、暖簾だしてないのに……はーい?」

麒麟児「よっ」

凛「まぁ!どうしたの?」

麒麟児「ここの近く通ったから、仕事前に飯食いに来た。」

凛「もう……ほんといつもいきなりなんだから。いいわ、入りなさい」

麒麟児「ん……?」

悠「あー?」

麒麟児「あれ、アンタもココ知ってたのか」

悠「あぁ?」

凛「あれ、弟の事しってるの?」

悠「え、いや、初対面的です」

麒麟児「は?窈だろ」

悠「窈じゃなく悠だ」

麒麟児「YOって意味じゃなくてyouが窈だろ」

悠「youじゃなくて悠だっての」

麒麟児「んん?」

凛「なんのお話し?」

悠「えーと、たぶんアレだな弟さんが言ってるのは三つ編みでダークスーツに伊達眼鏡の小鳥遊窈。おれの親戚。っで、おれは小鳥遊悠だわかったか?」

麒麟児「……ん?」

悠「だから、アンタが会ったことあるのは三つ編みしてただろ、それは小鳥遊窈でおれの親戚、おれは小鳥遊悠だ。」

麒麟児「…………んん?」

悠「だ・か・らっ!!!おれは小鳥遊窈じゃなくて小鳥遊悠ってるんだよっ!」

麒麟児「ああっ!そういうことか!」

悠「同じこと三回もいったよ……」

凛「ごめんなさいね、凛二は少しとっぽくて」

麒麟児「すまん。やっとわかった。俺は麒麟児だ」

悠「今……凛二っていわれなかったか?」

麒麟児「あだ名が麒麟児なんだ。」

悠「のぞみりんじ、希凛二……きりんじ、麒麟児か」

麒麟児「そうだ。友達がつけてくれた」

悠「なかなかいい、ネーミングセンスだな」

麒麟児「だろう」
ぐぅぅ……

悠「腹減ってんだったな」

凛「ふふっ、今何か作るわね」

麒麟児「あぁ、それで悠は……ここでバイトしてるのか」

悠「いや、ちょっと顔出しに来ただけだ」

麒麟児「……ああ、姉貴と付き合ってるのか」

がしゃ!
凛「っ//凛二!!」

悠「そうじゃなくて、ホントに顔出しに来ただけだ。ここではよく飯食わせてもらってる」

麒麟児「そうか。毎度よろしく」

悠「あんた……面白いな」

凛「はぁ……。」
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