ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

美喜「どうやったのよ」

悠「……あ?」

美喜「なんで、二、三、三、九、九萬、4、4、5、6筒、5、6、7、8索。リーチかけられてるのに二萬が切れたのよ。」

悠「うっわ、昨日の話かよ。」

美喜「そうよ。アンタの事だから強運って訳じゃないんでしょ。」

悠「まだ覚えてたのか手お前はアレか、蠍座?一途な星なのか?」

美喜「うるさい!」

悠「はぁ。」

美喜「今日は牌も持ってきたわ。澪」

澪「はい。」

悠「はぁ…一回しか言わないからな。どれ…」

1・3・7・9索、6・7・7筒、二・三・四・八萬、南西
ツモは6索

悠「例えばこんな手牌だったら何を切る?」

澪「……」

美喜「これなら、南か西ね。」

悠「じゃあその辺の字牌が整理されてこの形なら?」
1・3・6・7・8・9索、6・7・7筒、二・三・四・八萬
ツモは2索

美喜「……」

澪「……八萬切りかな。」

悠「じゃあこれ。」

1・2・3・6・7・8・9索、6・7・7筒、二・三・四萬
ツモは6索

美喜「7筒切り」
澪「7筒切りだ。」

悠「二人はこの7筒切りと八萬切りの差がわかるか?」

澪「差?」

悠「一見同じようにいらなくなり捨てた7筒と八萬。捨て牌として河に並んだとき二牌の意味する情報は全く逆だ。」

1・3・6・7・8・9索、6・7・7筒、二・三・四・八萬
ツモは2索

悠「この形からの八萬切りなら手中で完全に浮く。つまり捨て牌八萬のまわりに待ちは無い。逆に」

1・2・3・6・7・8・9索、6・7・7筒、二・三・四萬
ツモは6索

悠「この形からの7筒切りなら手中に7筒のそばがある。捨て牌7筒の回りが待ちになる。捨てられたまわりが安全な八萬とそのまわりが危険な7筒。麻雀の捨て牌は大別するなら、この二種。」

澪「安全エリアか」

美喜「危険エリアかってこと?」

悠「それと現実的にはどちらにも判断不能なノイズみたいな牌もある。これを足して三種。この三種で全部の捨て牌は100%説明がつく。」

美喜「……」

澪「……」

悠「詰めを話すぞ。これを現実にあった捨て牌に活用すると…」

南・中・6索・八萬・9筒・一萬・四萬・1筒・4筒リーチ

美喜「アンタが5索ドラ切りした時の捨て牌ね。」

澪「無茶苦茶な勝負を通したやつか。」

悠「俺はこんなもの大通しだと思った。」

美喜「なんで?」

悠「6索の出が早すぎる。つまり、6索の利用価値があとから出た9筒や八萬より低いって事だ。これの意味することは6索のまわりの牌がない。6索のまわりに4索があっても8索があっても6索切りはありえない。あるとするなら2・3索あたりか?けどそれも八巡目の1筒ツモ切りで可能性は消えたソーズは全滅」

南・中・6索・八萬・9筒・一萬・四萬・1筒・4筒リーチ

悠「結局この捨て牌早めの6索切りで手中にソーズが無いのはほぼ判明。6索のまわりは典型的安全エリア。逆にこの捨て牌で一番の危険エリアは六巡までひっぱっていた一萬。6索よりも一萬が大事ってことは一萬のまわりに牌がある。一・三萬と手中にあったことはほぼ決まり。その後の四萬切りと合わせて考えれば…一・三・四・四萬の形からの一・四萬整理が濃厚、まず本命は二萬-五萬で動かない、六巡目の打一萬」

澪「典型的な危険エリアか…」

悠「そ、中坊ン時はこんな感じで安全なエリア、危険エリアで相手の捨て牌を整理して打ってただけだ。説明終了…じゃ、帰るぜ。」

澪「はぁ…凄いですね。」

美喜「……凄いって話じゃないわよ?」

澪「え?」

美喜「中学の時はじめてやったって事は麻雀素人だったのよ?それが数時間で捨て牌の本質を裸にした。論外よ」
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