ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

拳二「なぁ、頼むって」

悠「嫌だ。」

拳二「一回だけな?」

悠「断る。」

拳二「俺とお前の仲じゃないか。」

悠「他人です」

拳二「お前の事をかってるんだぞ」

悠「私、身持ちは固いのよ」

美喜「あそこの二人はなにやってるわけ?」

ともき「さぁ…」

澪「瓦谷さんが悠に何かを頼んでるみたいですよ。」

美喜「会話だけ聞いてたら女を買ってるヤクザね。」

ともき「悠はあきらかに最後ふざけてるしな。」

澪「はは…」

悠「だぁもう!しつけぇ!やらねぇったらやらねぇかなら!」

美喜「さっきからなに騒いでるのよ」

悠「あ、悪い。」

拳二「おう。姉ちゃんすまないな。コイツが言うこと聞かなくて。」

悠「誰がヤクザの言うことなんか聞くか。」

ともき「いったい全体なにを頼んだんです?」

拳二「おう。実はな今度うちの組みとミレニアムが親睦会を開くんだ。」

ともき「ミレニアム?」

悠「正確には堂島工業系列ミレニアム開発。分かりやすく言えばヤクザさ。」

澪「けど、親睦会で悠が必要な理由は?」

拳二「酒を飲むだけならいいんだがな。親睦会ってのは建前で大金を掛けた麻雀やんだよ。」

ともき「……つまり、悠を代打ちにスカウト中だと?」

拳二「ズバリな。」

悠「代打ちなんか誰がするかっての。それに麻雀は打たないんだよ」

拳二「嘘つくなよ。中坊の時は俺とよく打ってただろ。」

澪「悠、そうなのか?」


悠「昔の話だ。ルール覚えるために数打って覚えてただけだし」

拳二「そうだよ。それがふざけてるんだ。このガキは。」

ともき「何がですか?」

拳二「ありゃあ初めて悠と麻雀やった日だ。このガキは役も知らねぇドシロウとだった、まぁ正直カモるつもりで面子に入れてたんだが。」

悠「……」

拳二「東、9筒、三萬、西、6筒、九萬、1筒、4索でリーチ。悠の手ハイは二、三、三、九、九萬、4、4、5、6筒、5、6、7、8索なのにコイツは6筒を切った。」

美喜「危険ハイね。」

拳二「ああ、だが通った。しかも次順ツモで九筒を引いた。」

ともき「えーと……じゃあ出来るなら切るのは5索あたりか」

澪「けど捨てハイを聞いた限りウラスジの5索は切りにくい…ドラは?」

拳二「5索だ。」

美喜「切れないわね。手中に三萬が三枚あるし、壁を利用して打二萬じゃない。」

拳二「そうだな。けどコイツはツモった8筒を加えて5索を切った。それも通って、その回は別の奴が二萬を切って終わったよ。手ハイは三、四、六、七、八、2、3、3、4、4、5、8、8筒」

澪「ちょっと、待った。つまり待ちは二-五萬?」

拳二「そうだ。悠は読みやがったんだ二萬が危険牌ってな。」


ともき「悠、なんで危険牌が……って居ない」

拳二「あの野郎帰りやがったな。」
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