ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~6

ーラスタ・ラヴ(3/2/夜)ー

悠「うちの庭の梅が満開だった」

拳二「ほぉーじゃあちぃーっと早ぇが花見としゃれこめるな」

悠「あのな、咲いたのは桜じゃなくて梅の花だぞ」

拳二「どうせ、花見なんて建前だから良いんだよ。なんでも。」

悠「言い切りやがった」

崇「風情の無いやつだ」

拳二「風情ってなんだよって話しだろ」

氷室「日本古来存在する美意識の1つで、一般的に、長い時間を経て大自然 によりもたらされる物体の劣化や、本来あるべき日本の四季が造り出す、儚いもの、質素 なもの、空虚なものの中にある美しさや趣や情緒を見つけ、心で感じるということです」

悠「わーん、おれが唯一、気取って喋る解説役をとられた」

崇「……っということらしいぞ」

拳二「らしいぞといわれてもなぁ…。」

悠「風情とは、雅なことで、華やか、つまりは粋!粋な気負いでいきおいだ!」

拳二「全然わかんねぇよ!」

悠「馬鹿が」

拳二「俺ぁが馬鹿なのか?」

崇「花を見て綺麗だなといっておけばいいってことだろ」

悠「正解」

拳二「なんでそうなった?!」

氷室「粋な気負いですよ」

拳二「わっかんねぇ……。」

悠「適当言ってるんだからちゃんとした答えなんか有るわけ無いだろ」

拳二「あぁ?!」

悠「あー?」

氷室「明日はひな祭りですね」

崇「そうだな」

氷室「といっても、我々にはあまり関係ない行事ですが」

崇「それ以前に俺はいちいち行事ごとなんか覚えてない」

氷室「まぁ、確かになにかの行事日が休日だったらいいなと捕えるくらいですね」

悠「おれなんか特に家族サービスもしないぞ」

崇「最低だな」

悠「崇に素の最低だな宣言された…」

拳二「釣った魚に餌をやらないのはいただけねぇな」

悠「うっせバーカ」

拳二「てめぇ、俺ぁの時だけ目に見えて態度が違いやがるな。ゴラァ!」

悠「おれは人によって態度を変えれるほど人間できちゃいない……だがな、畜生の扱い方くらいは自負してるよ」

拳二「誰が畜生だ!!」

悠「やかましいぞケダモノ!!」

崇「お前ら二人ともうるせえよ」

悠「めんご、めんご」

崇「人によって態度は変えないが、ひとをイラつかせるのは本当に上手だな」

悠「あの……崇、いえ、崇さん。肩が捥げそうなんで掴みあげるのやめてくれませんか?」

拳二「崇、やるならこうしろ」

ガシッ!グィッ!!

悠「……わー……浮いてる、ぼく浮いてるよ。」

氷室「人間て両方からとはいえ、座った体勢で持ちあがるんだすね。」

悠「おれの体重約百キロのはずなのに」

拳二「もっと肉つけねぇとお前らヒョロいんだよ。特に崇」

崇「不要な物は必要ない」

拳二「筋肉と拳の硬さがすべてだろ」

崇「生まれ持った力のみでねじ伏せることが強さだ」

悠「なにこの極端超人ども」

氷室「どちらの言い分も間違いではありませんが常人には真似できませんけどね」
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