ｰラスタ･ラヴ(1/20/夜)ｰ

悠「ふーむ……。」

ともき「なんだ、難しい顔して」

悠「……」

ともき「ん?」

悠「そんなにおれ難しい顔してるか?さっきも言われたんだけど」

ともき「してるぞ。珍しく考え事してる顔だ。」

悠「珍しくってひどくなーい」

ともき「っで?」

悠「で?でん、でんでけでけでん!でんでんでけでけでん!ほーら、指がちぎれちゃいまーす」

ともき「……」

悠「うわー、その目冷たいな。崇の目つきには届かないけど結構冷たい目つきだわ」

ともき「話したくないならそういえよ。聞かないから」

悠「これで悩んでる……っーか、考えてるんだけどな」

ともき「話すのかよ……って、人形?」

悠「あぁ。」

ともき「これって……恋ちゃんの本体か?着てる着物が違うけど。あっちはピンクだけどこっちはスカイブルー(空色)だな」

悠「恋とは別物だ。今朝梔姉さんが持ってきたんだけど。」

ともき「ふーん、そっくりだな」

悠「桐箱に無数のお札が貼ってあったらしい。梔姉さんは有無を言わずに引っぺがしたらしいけど」

ともき「おいおいおい……まずくないかソレ」

悠「今日一日おれが持ってたけど問題無かったから平気だろ」

ともき「悠もだけど梔さんも大胆だな」

悠「梔姉さんは大和撫子の大和は戦艦大和と同じだからな」

ともき「なるほど、まったく関係ないな」

悠「うん。いってみただけだからな」

ともき「……っていうか、恋ちゃんに聞いてみたらいいんじゃないか?」

悠「それとなく自然に聞いたが特に知らない様子だった」

ともき「なんで直接聞かないんだ?」

悠「いや、恋はさ座敷童子で今まで山小屋に住んでて、この人形はなぜ封印(?)されてたのかと思ってな。」

ともき「ふむ」

悠「それにお札引っぺがしたのに具現体(?)現れないのも気になる。」

ともき「映画とかみたいに消滅ていうのか……祓われたとかってことか」

悠「さも有りけりだ」

ともき「なんで、古風な表現した」

悠「もし、恋の身内で祓われたとか的なんだったら……いうのが辛い。」

ともき「それでどうしようか悩んでたのか」

悠「悩んでない考えてるだけ」

ともき「はいはい……どうせもうそれなりに答えは固まってるんだろ?どうする気だ?」

悠「なんで、そう思う?」

ともき「付き合いが長いしな」

悠「……ちゅうしてやろうか?」

ともき「床とでもしてろ」

悠「結花さんとなら喜んでするが」

ともき「……えーと、ねずみやの長女さんだっけ?」

悠「そう」

ともき「そうか。っで、最後までふざけ通すのか?」

悠「おれは正直、人間相手のトラブル専門だからな……霊的には霊的な専門者に頼もうと思う。」

ともき「そんな人がいるのか?」

悠「専門って訳ではないけど確実におれより霊感的な物があるやつに心当たりはある」

ともき「悠に霊感がない?」

悠「ともき、自慢じゃないけどなおれは元来霊能力とか超能力とか魔力的なものが皆無らしいんだ。だから、後楽みたいなのに取り憑かれる」

ともき「あるからじゃないのか?」

悠「いや、話しを聞いてみるとおれにはそういう才能が零らしい。」

ともき「……え、でも後楽さん殴ったりしてるじゃん」

悠「実態あるしな。あとは気合」

ともき「……つまり、悠は特別な能力は皆無なのに超常現象に拳でぶつけれるのか」

悠「うん」

ともき「凄いのか凄くないのか分からん…」