ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~5

ー立派な山小屋(1/12/夜)ー

揺光【うむ。血は止まった。しかし、深い傷じゃ】

悠「紙一重で避けれて良かった……」

恋「出会ってすぐさまスプラッタを嫌じゃな」

悠「本当にな…っで名前は?そっちの男の子」

黒髪の男「黙秘させていただきます」

悠「じゃあ、次、おれの顔をミンチにしかけたものすっごいアホ毛っ娘、名前は?」

燕「はい、真田燕(さなだつばめ)。魔法少女っぽいことしてる破壊症候群の11歳です。好きなことは物を壊すことです。」

悠「うわぁ、うわぁ、なんか濃いの引いたよ……やべぇよ。座敷童子とか軽くどうでもよくなるくらいのレベルで濃い娘がでたよ」

恋「どうでもいいとはなんだ!恋は高位の妖怪で魔法少女なんてアニメ世界の偶像とは別格じゃ!」

黒髪の男「君はなんでそうペラペラと大事なことを話すんだ!!」

燕「自己紹介はちゃんとしないといけないんだよ?クロノ君」

クロノ「だけど俺たちは秘密裏に行動を……」

悠「魔法少女は偶像なんかじゃないぞ。おれの知り合いに魔法少女二人いるもん。」

恋「え、本当か?」

悠「うん、マジ。」

金髪の女性「なんだか、おかしなことになってきたわね。」

揺光【悠は厄介を呼び寄せ、背負い込む性癖があるでの。今回も偶然が重なって、必然に悠が関わって、漠然に進んでいくのじゃ】

金髪の女性「変わった性癖ね。ふふっ」

悠「って、誰!?」

揺光【ああ、こやつは八雲紫。隙間妖怪で妾の旧友じゃ。】

紫「親友よ。」

悠「頼むから、このめんどくさい状況にさらに登場人物を増やさないでくれ。ラスタ・ラヴにようこそなのにいつまで京都居るんだよ、あと12日から進んでねぇぞ。って事になるだろ」

紫「ふふっ、そんなの今に始まったことじゃないじゃない。どうせ、最後には適材適所に分けられるわよ」

悠「だよなー」

紫「メタな会話は置いといて一個一個、処理して行きましょう。悠はそういうのが仕事なんでしょ?」

悠「本職はただの学生兼茶屋の主人です……まぁ、いいや。それじゃ単刀直入に聞くけど、人ン家の山で何してるんだ。ここは一応所有地だぞ」

燕「えーと…魔具っていうのを探してて」

クロノ「また勝手に喋って……」

悠「じゃあ、クロノ君が説明してくれ。できればちゃんと自己紹介付きで」

クロノ「……俺はクロノ・ハラオウン。時空管理局執務官だ」

悠「じくうかんりきょく?」

クロノ「知らなくて当然です。詳しくは説明できませんが俺と彼女の目的は「ソウルオブサマサ」という魔具を探しているんです。」

悠「ソウルオブサマサ……どんな物で、この山にそれがあると?」

クロノ「形状の詳細は分かっていないけど決して大きなものでは無い。宝石の類や装飾品の類かもしれない。ただ、問題なのは「ソウルオブサマサ」はその強大な魔力から持ち主の精神を蝕む危険なものなんだ」

燕「それでこの前、そのソウルオブサマサでモンスターになった大蛇は退治したんですけど」

悠「あの蛇……魔物化してたのか」

揺光【ふむ、つまりお前らが探しておるのはこれの事か】

コォォ…

クロノ「それを何処で?!」

揺光【大蛇を葬るとき違和感を感じてな】

悠「違和感?」

揺光【死骸から腐敗臭は出ておるのにどこも腐って無いのが気になった。じゃから死骸の中を調べたら見つけて拝借しておいたんじゃ。】

悠「あの死骸の中をほじくったのか……」

揺光【そんな悪趣味なことはせん。紫に取らせたわ】

紫「私はどこでも隙間が作れるのよ。」

クロノ「それを渡してもらいます」

揺光【っと、いっておるがどうするかのぅ。悠】

悠「渡してあげたらいいんじゃね。悪用する気とか無いんだろ」

クロノ「当然だ。厳重に管理する。」

悠「らしいし渡したげろよ。」

揺光【分かった。じゃが、ただで譲るのは癪じゃから……小僧、きっちりとこの魔具は此処に居る「小鳥遊悠」が探しだしたと報告しろ。それが条件じゃ】

悠「何いってんだよ。おれはなんもしてないっての……。悪いな、うちの狐が変なこといって。そっちでどうにかしといてよ」

クロノ「確かに預かった。何にしても礼は言わせてもらう。」

悠「いや、うちの山に変な物がボコボコ出てきたら梔姉さんがリアルモンスターハンターになりそうで怖いし」
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