ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~5

ー立派な山小屋(1/12/夕方)ー

悠「妖しい者のとか妖しい物なんてそうそう見つかるわけ無いだろ……いや、むしろ全部妖しく思えてくるか……ん?」

着物の少女「……」

悠「なんか少女にガン見されてる……っか、いきなりヒット」

着物の少女「誰ぞ?」

悠「それはおれのセリフなんだけどな……。あー、えーと、小鳥遊悠です。まぁ、この山の持ち主の親戚のひとりです。」

着物の少女「……」

悠「……」

着物の少女「……ふっ」

悠「鼻で笑われた……だと?」

恋「……恋(れん)、我は恋。この家の主じゃ」

悠「……人外にも住居件はあるのか?」

恋「ほう。わかるのかや」

悠「まぁ、この状況だと霊感うんぬん以前に人では無いでしょうし。地縛霊かはたまた宇宙人か……お前の正体はエブリシング中途半端にお見通しだ!」

恋「くすくすくす……恋の事を座敷童子という者はいたが。しかし、悠は宇宙人なぞ信じておるのかえ?可愛いの」

悠「座敷童子……(つまり、この少女、自分は妖怪だといいたいらしいな。しかも宇宙人を全否定。たいして変わんないだろうに…。っか、座敷童子がどうどうというか?もしかしたら後楽みたいなのが化けてるのかもしれん……ここは一発嚇かしてみよう)よしわかった。おれとお前、どちらかがこの世から完全消失しない限り決着は無いようだ。己の存在のすべてをかけてかかってくるがいい」

恋「初対面の人間と何故そんなファイナルバトルをせねばならぬ。お断りじゃ。さっきから見てると、つまり悠は阿呆か?この阿呆め。くすくす♪」

悠「よし、お前には床地獄の極みで泣かしてやる。」

恋「そうさな。かくれんぼで勝負なら良いぞ。夜になるまでに恋を見つけられたら、なんでも言う事をきいてやる」

悠「…よかろう。おれが負けたら以下同文」

恋「では……百数えたら開始じゃ」

スッ……

悠「目のまえから消えたか……。まぁ、そういう事だと思ってたよ。こっちにだって策はある。多分ああいう類の妖怪は……」

~山小屋探索中~




揺光【お、悠。何か見つけたか?】

悠「揺光、たき火たけるか?」

揺光【お安いご用じゃ】

ゴォォォ!!

悠「このたき火にさっき山小屋で見つけた恋に似た人形を近づけますと……」

恋「やめんか!!」

揺光【なんじゃ?この涙目でお前を威嚇しとる女妖は?】

悠「座敷童子らしい。とりあえず勝負はおれの勝ちだな」

恋「無茶苦茶するの!!」

悠「勝負はいつだって非情なんだよ。っで、勝ったから約束は守ってもらうぞ」

恋「妖怪に二言は無い」

悠「この山に妙なのが溢れてるっていうんだが原因はお前か?」

恋「妙なの?ああ、そういえば最近この山の境界が緩んで動物が妖怪化したりしてるのはあるわ」

悠「山の境界?なんだそれ?」

揺光【待て、ちょっと待て、悠、ちょーっと待っておれ】
ツカツカツカツカ……

恋「アレは狐か?」

悠「九尾のな」

揺光【紫、お前がちゃんと結界を直しておらぬのが原因ではないか!!……なに?!寝てた?知るか!この隙間!さっさと藍といっしょに直しとけ!でないと閻魔に文を届けるからな!!】

恋「戻ってきた」

揺光【どうやら、これで解決じゃな】

悠「待て。なんか、どうもお前さんの知り合いが原因だったような気がするが?」

揺光【否否、違うぞ。あの大蛇が殺されていた事件の犯人とは関係ないらしい。それが諸悪の根源じゃ】

悠「……恋、この最近妖怪が増える以外で何か変わったことはないか?」

恋「そういえば……人間の女が来たな。」

悠「人間の?どんな女だ?」

恋「あんな女じゃ」

ものすっごいアホ毛の少女「うーん……見つからないなー」

悠「お前かー!」

ものすっごいアホ毛の少女「え、きゃあぁぁー!貞子!!」

悠「!?」
ズバッンッ!!ぶしゅ……

ものすっごいアホ毛の少女「はっ!?」

悠「っ……(なんっー威力のパンチ……かすっただけで頬がざっくり裂けただと)」

ものすっごいアホ毛の少女「きゃーー!ごめんなさい!ごめんなさい!大丈夫ですか!!死んでませんか!!ごめんなさい!」

悠「あ、いや……」

黒髪の少年「いったい何があった!大丈夫か!!」

悠「えぇ……また増えたよ…」
ダクダクダク……

恋「とりあえず止血せい」

揺光【やれやれ、どーなっとるんじゃ……】
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