ｰ和龍軒(12/31/昼)ｰ

悠「やっぱりここは開いてるんだよな」

千夜「あ?」

悠「いや、31日でもあいてるんだなぁ～って思って」

白巳「ふーふー……ちゅるるん!」

千夜「どうしようか考えてるんだよな」

悠「何を?」

千夜「今夜だよ。客の中にはここで年越したいって客がいるんだよ」

悠「年越しラーメンか。おれもそっち派だな。蕎麦よりラーメンがいい」

千夜「っで、めんどくさいんだよな。こっちだってこんな日の夜中くらい休みたいし」

白巳「ふーふー……ちゅるるん!」

悠「なるほどな。でも、長居はしないんじゃないのか?」

千夜「でも、そのまま開けてたら大抵流れで年明けラーメン組が来るんだよ。」

悠「あー、年越しで騒いでたグループか」

千夜「酔っぱらいも多いしな……。」

多恵「別に千は遊びに行ってもいいのよ？誠ちゃんとかと」

千夜「それで、夜中は店閉めるのかよ」

多恵「やるわよ」

千夜「アホかぶっ通しした上に一人でさばけねぇだろ！アズミだっていやしねーのに。」

多恵「親に何て口聞くのかねぇ…。別にこれまでだってそうしてきたじゃないさ」

悠「まぁ…」

白巳「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」

悠「お前が止めるんかい！」

多恵「あ、ごめんなさいね」

悠「いや、いいんっすけど……。千夜はアレなんだろ遊びたいとかじゃなく多恵さんが心配なんだろ。」

千夜「別にそうじゃねーよ」

悠「ツンデレだな」

千夜「表出ろ。福笑いと同じにしてやる」

悠「副笑いって顔のパーツバラバラなんだけど……」

多恵「やめなさい。悠くん、本当にごめんなさいね」

悠「いやいや、これありきで千夜ちゃんですから」

白巳「ちゅるるん！ごちそうさまでした♪」

悠「お、じゃ行くか。お代置いときますね」

多恵「よい、お年を」

千夜「ふん」





ｰ三日月ｰ

コンコン…コンコン…

凛「ごめんなさい。今日はもう……あら、悠くん」

悠「ども」

凛「今はちょっと有り合わせの物しか……」

悠「あーいやいや、大丈夫っす。年明け前に挨拶周りしてるだけなんで」

凛「あら、じゃあわざわざ訪ねてくれたの？」

悠「そりゃ凛さんの着物姿見とかないと」

凛「ふふ、お世辞でも嬉しいわ。時間があるならせめてお茶くらいはどう？」

悠「いいんすか？」

凛「私も悠くんに年納めのお酌したいもの。」

悠「うぇひひ。じゃあ遠慮なく」

凛「お酒の方がいい？」

悠「お茶で大丈夫っす。まだいくとこあるし。よいしょと…」

白巳「しゅぴ～……」

凛「親戚の子？」

悠「みたいなモンです。ちょっと預かってまして」

凛「子守りも出来ちゃうのね」

悠「どーすかね。ただおれの行きたい場所に連れまわしてるだけなんで」

凛「ふふ。はい、一年お疲れさまでした」

悠「ありがとうございます。」

凛「こうして話すのも久しぶりね」

悠「あー、そうっすね。ゴタゴタしてて来れなかったから」

凛「悠くんはいつも忙しそうね」

悠「暇なときのが多いですよ。キリンさんは店どうするんすか？」

凛「今から三日まではお休みさせてもらうわ。今年は弟と過ごすつもりよ」

悠「弟さん居たんだ。」

凛「全然顔会わさないんだけどね、同じ都内に住んでるけど」

悠「仲は悪くないんでしょ？」

凛「えぇ。ただ、弟もいい年だからね。姉と一緒だと恥ずかしいんじゃないかしら」

悠「キリンさんが姉だったら、おれは四六時中いっしょに居たいっすけどね」

凛「も、もうからかって……///」

白巳「ふぁぁ……むゆ？」

悠「起きたか、そんじゃお茶ごちそうさまでした」

凛「あ、うん。よい、お年を」