ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2
-ラスタ・ラヴー
美喜「どうぞ、ケープコッダーです」
ケープコッダー
20度シェーク
ウォッカ45ml
クランベリージュース45ml
材料をシェークして、氷を入れたオールドファッションドグラスに注ぐ。
澪「ケープコッドはアメリカマサチューセッツ州にある半島の名称で、ウォッカとクランベリージュースをミックスしたシンプルながら味わい深いカクテルです」
美喜「それじゃあ、ごゆっくりどうぞ。」
悠「……」
兜馬「……」
近藤「せっかく顔を合わせられたのに、もう少しお話してはいかがですか、お二人とも」
悠「ってもなぁ…」
兜馬「……には行ったか?」
悠「ぁん?」
兜馬「墓参りには行ったのか。」
悠「母さんとばあちゃんのは行った。ジジイのは行ってない。そーゆー親父は?」
兜馬「……」
悠「あー…わりい。日本に帰ったの昨日だったな。けど、気にしなくていいぜ。どの墓もちゃんと掃除してっから。」
兜馬「……すまんな。」
悠「ぁ?」
兜馬「墓の掃除などやらせてしまって。本来なら私が率先してすべき事だ。子供のお前に……」
悠「あのよぉ、それ以上いうと怒るぞ。自分の親と祖父母の墓の掃除してなんで謝ろうとしてんだよ。そうやって妙な所に気使えるんだったら、俺じゃなく母さんに線香の一つでもあげてやれよ。馬鹿。」
兜馬「……」
近藤「ふふ、一本とられましたね。社長」
兜馬「はは…まったくだな。」
近藤「それにしても…光陰矢のごとしとはいいますが、月日の流れとは本当に早いものです。ついこの間まで乳飲み子だった坊っちゃんが立派になって……」
悠「乳飲み子って…何十年前の話だよ。」
近藤「坊っちゃんが産まれてからはそのくらい時間が立つのが早かったんですよ。」
兜馬「はは、そうだな。毎日が嵐のようだった。」
悠「……そんなに、手がかかったか?」
近藤「正直にいえば振り回されっぱなしでした。」
兜馬「一日も気が休まる事はなかった気がする。」
悠「……」
近藤「ですが、充実した毎日だったのは確かです。今でもしっかり覚えてますよ。泣いた日も笑った日も」
悠「いいから忘れてくれ。恥ずかしくてたまらない。」
近藤「忘れられませんよ。」
悠「なんでやねん。」
兜馬「親というのは子供の思いでは忘れないものだ。」
近藤「そうです。……おっと……失礼しました。私は違いましたね。」
悠「あにが?」
近藤「いえ、付き合いが長く坊っちゃんを見てきましたからね。ついつい、本当の我が子の様に思ってしまって」
悠「……別にいんじゃね。血の繋がりがあろうが無かろうが家族にはなれるだろ。少なくとも俺は近藤さんの事を家族だと思ってるよ。」
近藤「坊っちゃん…」
悠「ま、何だかんだで世話になってたし。じゃ、俺は行くな。二人はゆっくりのんでくれ。」
兜馬「悠。」
悠「あん?」
兜馬「またな。」
悠「あぁ。」
近藤「社長、いい息子さんですな。」
兜馬「もう少し素直なら申し分ないのだがな。」
美喜「どうぞ、ケープコッダーです」
ケープコッダー
20度シェーク
ウォッカ45ml
クランベリージュース45ml
材料をシェークして、氷を入れたオールドファッションドグラスに注ぐ。
澪「ケープコッドはアメリカマサチューセッツ州にある半島の名称で、ウォッカとクランベリージュースをミックスしたシンプルながら味わい深いカクテルです」
美喜「それじゃあ、ごゆっくりどうぞ。」
悠「……」
兜馬「……」
近藤「せっかく顔を合わせられたのに、もう少しお話してはいかがですか、お二人とも」
悠「ってもなぁ…」
兜馬「……には行ったか?」
悠「ぁん?」
兜馬「墓参りには行ったのか。」
悠「母さんとばあちゃんのは行った。ジジイのは行ってない。そーゆー親父は?」
兜馬「……」
悠「あー…わりい。日本に帰ったの昨日だったな。けど、気にしなくていいぜ。どの墓もちゃんと掃除してっから。」
兜馬「……すまんな。」
悠「ぁ?」
兜馬「墓の掃除などやらせてしまって。本来なら私が率先してすべき事だ。子供のお前に……」
悠「あのよぉ、それ以上いうと怒るぞ。自分の親と祖父母の墓の掃除してなんで謝ろうとしてんだよ。そうやって妙な所に気使えるんだったら、俺じゃなく母さんに線香の一つでもあげてやれよ。馬鹿。」
兜馬「……」
近藤「ふふ、一本とられましたね。社長」
兜馬「はは…まったくだな。」
近藤「それにしても…光陰矢のごとしとはいいますが、月日の流れとは本当に早いものです。ついこの間まで乳飲み子だった坊っちゃんが立派になって……」
悠「乳飲み子って…何十年前の話だよ。」
近藤「坊っちゃんが産まれてからはそのくらい時間が立つのが早かったんですよ。」
兜馬「はは、そうだな。毎日が嵐のようだった。」
悠「……そんなに、手がかかったか?」
近藤「正直にいえば振り回されっぱなしでした。」
兜馬「一日も気が休まる事はなかった気がする。」
悠「……」
近藤「ですが、充実した毎日だったのは確かです。今でもしっかり覚えてますよ。泣いた日も笑った日も」
悠「いいから忘れてくれ。恥ずかしくてたまらない。」
近藤「忘れられませんよ。」
悠「なんでやねん。」
兜馬「親というのは子供の思いでは忘れないものだ。」
近藤「そうです。……おっと……失礼しました。私は違いましたね。」
悠「あにが?」
近藤「いえ、付き合いが長く坊っちゃんを見てきましたからね。ついつい、本当の我が子の様に思ってしまって」
悠「……別にいんじゃね。血の繋がりがあろうが無かろうが家族にはなれるだろ。少なくとも俺は近藤さんの事を家族だと思ってるよ。」
近藤「坊っちゃん…」
悠「ま、何だかんだで世話になってたし。じゃ、俺は行くな。二人はゆっくりのんでくれ。」
兜馬「悠。」
悠「あん?」
兜馬「またな。」
悠「あぁ。」
近藤「社長、いい息子さんですな。」
兜馬「もう少し素直なら申し分ないのだがな。」