ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

-ラスタ・ラヴー

悠「ほい。エースのフォーカード」

澪「うわ…」

紅「また、悠の勝ちか」

亮「……」

悠「悪いな。美喜、三人にもう一杯おかわりな。」

美喜「ネバダでいいわね」

ネバダ
23度中口シェーク

ラム(ホワイト)36ml
ライムジュース12ml
グレープフルーツジュース12ml
シュガーシロップ1tsp
アンゴスチュラビターズ1dash

材料をシェークして、カクテルグラスに注ぐ。

悠「さぁ、ぐぐっといけ、ラムとライムジュース、グレープフルーツジュースをミックスしてるからあっさりとした清々しい飲み口だろ。」

紅「さすがに連続はキツい…」

澪「たしかに…」

亮「それにしても悠の勝ち方はすごいな。」

悠「堅実に場の空気を読んでるだけさ」

紅「堅実に読むって必勝法みたいなのってあるのか?」

悠「あるよ。手っ取り早く、確実、イカサマだ。」

紅「イカサマって…」

悠「おいおい。待てよ。このゲームでは使って無いぞ。俺はただ、必勝法を聞かれたから答えただけだ」

亮「だからってイカサマはなぁ」

悠「そうか?俺は狡いとは思わないけどな。イカサマだって一つの技術だ。やられる方が悪い……がバレたら本人の責任だ。」

澪「悪党のうたい文句みたいだな。」

悠「はは、本当の悪党ってのはもっと巧妙にやるさ。ギャンブルってのは何を選んでもほとんどの勝者は胴元なんだぞ」

紅「どーゆう事だ?」

拳二「ガキが集まってなに生臭い話してる。」

悠「お、見ろ。ちょうど良いところに悪党の見本が来た。」

拳二「だれが悪党だ。」

悠「ここいらの店の資金収入の元締めだろ」

拳二「ふん、当たり前だ。テラ銭があるからそういう場所を俺等が提供してやるんだろ」

紅「テラ銭って?」

悠「テラ銭は胴元が掛け金の中から賭ける奴に配分せずに自分の取り分にする金のことだ。」

拳二「公営のギャンブルの場合、テラ銭は上品に控除率って言い換えられて、割合で示されてんだぜ。笑えるだろ」

悠「だいたい、パチンコなら10~15%、競馬なら約25%、宝くじなら…」

拳二「50%だ。そのギャンブルに参加するだけで、なにもしなくてこれだけの金を参加者たちは胴元取られてるんだ。」

亮「パチンコも競馬もしない俺は関係ないな。」

拳二「かかっ。甘い甘い。いいかい兄ちゃん、これはギャンブルに限った話じゃない。なぁ、悠。」

悠「たしかに、国の税金も企業の給料も銀行の金利も、全部そのシステムを作ったやつの取り分がきっちりとられてる。つまり、ほとんどの個人はなんらかのシステムの中にいるのさ。」
拳二「考えてみれば、納税してるだけで国にテラ銭をとられてるようなもんだ。。煙草、酒、ガソリン、消費税……いいか、兄ちゃんたち。何にもしないでボンヤリしてるだけで、テラ銭負けしてしまうって現実を肝に銘じとけよ。」

悠「お前がいうとリアルすぎんだよ。」
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