ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~5

ーラスタ・ラヴ(11/17/夜)ー

弩躬「よっす」

悠「お、おぉ。よっす。」

弩躬「せんせーから柿もらったんだよ。いらないか?」

悠「柿か。もらうよ」

弩躬「渋ガキだけどな」

悠「あぶねっ!?喰いかけたよ!!」

弩躬「せんせーが干しガキにして食べろっていってたんだけど。俺はそんな手間なことしないし。悠ならなんかどうにかすると思ったんだ。」

悠「なんか、厄介払いみたいだな」

弩躬「正直いらないし」

悠「お前、鳳さんに撃たれるぞ」

弩躬「せんせーもいらなかったんじゃ無いかと踏んでる」

悠「そっからかよ。」

弩躬「せんせーって、わりとズボラなんだよ。茶道とかには半端なく口うるさいけど」

悠「よく分からん人だな」

弩躬「俺も未だに実年齢とか分からないし。謎だらけだぞ」

悠「あのひと、本当に何歳なんだよ……。」

道玄「さぁな」

悠「おっさん……いつの間に」

弩躬「あ、どうも。」

道玄「俺らと同世代のはずなんだが……もしかしたら、それ以上かもしれん。昔から髪型しか変わらんからな。」

悠「アンチエイジング半端なさすぎだろ。」

弩躬「服も道着ばっかりだしな」

悠「私服は?」

弩躬「どんな服でも胸に目がいく感じ」

悠「わかるわぁー」

道玄「お、柿じゃないか」

悠「好きなのか?」

道玄「梨の方が好きだがな」

悠「やっぱり九頭竜か……」

道玄「もらっていいか?」

悠「渋柿だぞ。」

道玄「なら、干しガキになったら貰うとする。」

悠「あ、やつぱりおれが干すのか……」

弩躬「できるのか?」

悠「子供でもできるよ。手順は……」

・皮を剥く
鉄製の包丁だと灰汁が出てむきにくいからピーラーで剥ぐ

・湯通し
湯通しすると乾きが早い。(サッとくぐらす)

・吊るす
紐の両端に吊るした方が干す時やりやすい
Tの字に茎がなっていると 紐につけやすい

・干す
雨に当たらないようにする。

道玄「婆さんがよくつくっていたな」

悠「亡くなったのか?」

道玄「今は百三歳でヨーロッパで毎日スカイダイビングを楽しんでる」

悠「長寿だな!元気良すぎだし!!」

弩躬「スカイダイビンクとかやってみたいな。悠はやったことあるか?」

悠「あるぞ。あと滝壺にたたき落とされたりしたこともある。」

道玄「弥一のやりそうなことだな」

弩躬「よく生きてるな」

悠「なんで生きてるのかおれも分かって無い」

道玄「危機反応というやつだろ。極限状態になればこそ、己に迫る硬く鋭利な着地点に対し、ハジき、スカし、破壊(こわ)し、我が身を守りきったのだろう。」

弩躬「その割には手弓を頭に喰らいましたけどね」

道玄「我慢強いからだろ」

悠「それ、おれのセリフ。」
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