ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~4

ーラスタ・ラヴ(11/5/夜)ー

崇「最強?」

社「うん。コレは取材とかじゃなくて、崇君の意見として聞かせてほしいんだ。もっとも強いのは誰かってね。」

崇「さぁな」

本郷「ふっ」

社「あ……じ、じゃあ、質問を変えよう。崇君の目から見て……例えば悠君がナイフを持った男と闘ったとき彼は勝つかな?」

崇「造作もないだろうな。そのまえに奴は逃げるだろうけど」

社「に、逃げちゃうんだ。」

崇「逃げるだろう。奴はそういうタイプじゃない。自ら喧嘩も売らないし、余程じゃないと買わない。」

社「でも、勝つと?」

炎銃「アンタさ、今刃渡り18㎝のナイフを持ってたとして、崇さんに勝てるとおもうか?」

社「……」

崇「……」

社「機関銃もってても勝てないと思う」

炎銃「つまりはそういうことだ。目に見えて結果の分かる戦闘能力差、確かに刃物持ったら強いさ。でもな、場合による。」

崇「もっと別な質問にしろ」

社「じゃ、じゃあ……例えば熊とかと闘ったなら?」

崇「やるやらないは別にして、勝てるだろうな」

社「黒ヒョウなんかとは?」

崇「無傷では済まない、檻の中なら一時間だろう」

社「なら……」

崇「はぁ、いい加減にしろ。玩具を前にしたガキじゃないんだ。くだらない事ばかり聞くな」

社「ご、ごめんなさい……。」

夢「じやあ、単純にアンタと悠ならどっちが強いのよ」

炎銃「このガキ……。崇さん、絞めましょか?」

崇「くくっ」

夢「……」

社「彼女は?」

美喜「どう説明した物かしら……崇、お抱えの占い師?」

社「占い?そんなものを崇君が?」

澪「わりと的中してるから面白半分って感じだろ。」

崇「たまに夢見る所はあるな。俺が手も足も出ないと……」

夢「それって……悠のが強いって事?」

崇「叶わないから夢だということだ。お前らは何もわかっちゃいない、ただ単に口で説明できるほど強さの単位を証明できない。」

炎銃「っても、誰から見ても崇さんは強者だけどな」

崇「くくっ、買いかぶるな」

炎銃「俺は買いかぶりはしませんよ。」

夢「釈然としない。」

崇「じゃあ、どういえば満足いく?嘘でも悠は強い、俺なんかじゃ歯が立たないとでもいえばいいのか?」

炎銃「ありえねぇな。」

夢「……」

社「……」

崇「お前らは根本的なところを間違ってる。強さの単位を他人に求める事だ。知りたければ自分でぶつかれ。」

夢「できる訳無いでしょ。」

崇「それが限界なんだろ。ぶつからないと見えない世界もある。痛みの先、恐怖の先を知らない奴らが、どっちが強いなんて聞くのが甘いんだよ。」

夢「もー、知らないし!帰る!」

炎銃「あのガキ……。腹立ちますね」

崇「生意気なのは元気な証拠だ。」

社「えーと、じゃあ、僕も失礼しようかな」

崇「そうだ。。アンタにひとつだけ教えといてやる。」

社「え?」

崇「闘争い(たたかい)が命のやり取り、彼に殺し合いまで純度を増したとするなら…………あの小鳥遊悠を相手に立っていられる漢(おとこ)は……この俺を含め、世に数人という所だ。たとえ全世界を探しまわったとしてもな」
98/100ページ
スキ