ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~4

ー小鳥遊邸:広間(10/30/昼)ー

駒裡「じゃあ、包帯取りますよ」

悠「ああ。」

後楽「優しく剥いてやってくれ」

悠「変なこといって口を挟むな」

後楽「お前さんの緊張をほぐしてやろうとおじさんなりに気を利かせたつもりだったんだけどな」

悠「五月蠅いよ」

駒裡「そ、それじゃあ、改めてとりますよ」

しゅるしゅる……
しゅるる……

悠「……」

駒裡「やっぱり傷は残ってますね……。」

後楽「ありゃりゃ、顔に傷が残るのはいただけないぞ」

悠「時間さえ経てば治る。それに崇いわく、おれは頬の肉が無い方がイケメンらしい」

後楽「うんうん。」

悠「うなずいてんじゃねーよ。」

駒裡「目の方はいかがです?開きますか?」

悠「あー……開くのは開く」

駒裡「髪あげて確認していいですか?」

後楽「どうぞ」

悠「だから、お前が答えるんじゃないっての!どうぞ」

駒裡「失礼します……。」

パサッ……
悠「な?開いてるだろ。」

駒裡「……目で指を追ってください」

スッ……スッ……
悠「ジッ……」

駒裡「大丈夫……そうですね。まだ、充血して腫れも残ってますけど。」

後楽「充血して腫れて硬くなってるのは仕方ねぇって男の性(さが)だ」

悠「はいっ、バックブロー(裏拳)!!」

ガゴッ!!
後楽「痛い……。」

悠「頼むから黙ってろ。殴るぞ。」

後楽「殴ってる。殴ってる。もう、殴ってるから」

駒裡「身体の方はもう、完全に大丈夫そうですね。少し前からオーバーアップ(やり過ぎ)トレーニングしてましたし。」

悠「一分ペナルールで腹筋してからな、十分で三人の合計が三千回オーバーだった。」

駒裡「最初の柔軟代わりにやる行動じゃないですよ……それ。一秒に二回やってる計算ですし……」

悠「大まかな話しだし。過ぎたことをとやかくいっても仕方ない」

後楽「そうだ、そうだ。だから、おじさんも後ろは向かないことにした。」

悠「アンタは前見るか、求人情報見ろ」

狸の置物「……」

悠「逃げやがった」

駒裡「愉快な叔父様ですね。」

悠「不愉快なな。それと、叔父様って親戚じゃないから」

駒裡「そうなんですか」

後楽「オトモダチさ」

悠「うっせーわ!それより、駒裡さん、もういいかな?」

駒裡「え、あ、ご、ごめんなさい//」

後楽「馬鹿だな。兄ちゃん、今のはどさくさまぎれに唇ゲッチューだろ」

悠「よし、今からお前の唇を物理的にゲット(引き千切って)やるよ」

後楽「おじさん、痛いのはちょっと嫌だな。あ、じゃあ、手品見せてやるから機嫌直せよ。妖術なしの。……っと思ったがお札を使う手品なんだが手持ちがねぇな」

悠「しょうがねーな。ほら。」

後楽「一万円札にハンカチを掛けて、1・2・3~はいっ!」

鳩『くるっぽー』

駒裡「わぁ!鳩になって飛んで行きましたね!」

悠「……なぁ、おれの金は?」

後楽「ぴゅ~~」
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