ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~4

ー小鳥遊邸書斎(10/3/昼)ー

楓子「失礼しますやよ。」

ごっ…どたばだどたたっ…

悠「……」

楓子「またこんなに……はぁ、師匠、師匠」

悠「んんっ……んー……ん?デコ?」

楓子「おはようございますやよ。」

悠「ふあぁ……あれ、おれ寝てた?」

楓子「そのようですやよ。」

悠「マジか……んー…はぁ。」

楓子「師匠、此処はエアコンが効かないのに転寝なんてすると風邪をひいてしまいますやよ。」

悠「いや、寝るつもりはなかったんだけどな。」

楓子「調べものに熱中されるのはけっこうですが、どうぞお体は大事にしてくださいやよ。」


悠「あー?おれがいつ身体を大事にしなかったよ。」

楓子「言い出したらきりがありませんやよ」

悠「そんなことないだろ。自由に寝て、自由に起きて、おれは他人に厳しく自分に甘いよ」

楓子「ご自身を卑下するのは、よくありませんやよ。」

悠「別にそーいうつもりじゃないさね。」

どざざざ…

楓子「大丈夫ですかやよ?」

悠「本出し過ぎたな片づけるのに一苦労だ。」

楓子「お手伝いしますやよ。」

悠「いいよ。いいよ。もうひと眠りしたらおれやるから。っか、まだ、途中だからそのままにしといてくれ。」

楓子「……しかし、もうだいぶグチャグチャですやよ」

悠「……確かに。はぁー、どうせ見つかりそうにないし諦めて片づけるか」

楓子「何について御調べに?」

悠「秘密」

楓子「師匠は隠し事が多くてこまりますやよ。」

悠「ミステリアスな男ってカッコいいだろ」

楓子「師匠はカッコいいですやよ?」

悠「真顔でいうな。つむじの辺りがむずむずする。」

楓子「それより、本当にどうしますやよ?このままでいいですやよ?」

悠「あー……じゃあ、その辺りの本は本棚に戻しといてくれ。」

楓子「はいやよ。……民俗学?」

悠「こっちはまだ調べて無かったな」

楓子「怪異伝承集?いったい、本当に何を御調べになってますやよ?」

悠「妖怪を建物から出す方法」

楓子「はい?」

悠「妖怪をどーにか建物から出す方法がないかと調べてるんだが、まるで見つからんのだ。」

楓子「師匠、やはりお疲れなのではないですかやよ?」

悠「そーいう、反応とると思ったからいいたくなかったんだよ。」

楓子「他にどんな反応をとれば……そうだ、師匠、散歩に行きませんかやよ。外の空気を吸えば少しはリラックスできるかもしれませんやよ。」

悠「おい、おれを疲れてるひと扱いするなよ」

楓子「しゅん……」

悠「でもまー、飽きてきたし、ちょっと外を歩いてくるか。昼飯時だし」

楓子「お供しますやよ!!」

悠「それはいい。」

楓子「しくしくしく…」

悠「デコ、お前は書斎を片づけるという任務を与える。」

楓子「はっ、そういうことですかやよ!わっかりました頑張りますやよ!!」

真桜「……っていうか、学校行けなの」
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