ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~4

ーラスタ・ラヴ(9/16/夜)ー

氷室「それは災難でしたね。」

悠「まったくだよ……」

拳二「おうー。やってるか。」

悠「居酒屋か立ち飲み屋じゃねぇぞ」

氷室「どうも、瓦谷さん」

拳二「おう。ねぇちゃん、ビール頼まぁ」

美喜「はいどーぞ。」

ゴンッ
拳二「ピッチャーで出す辺りがよくわかってんなぁ」

氷室「いつみても豪快な方だ。」

悠「日本語でいうところの馬鹿ですよ。」

拳二「人生はどれだけ馬鹿を出来るかが醍醐味だろうが」

悠「……たしかに。」

氷室「あはは、なっとくされますか。」

拳二「ところでよぉ、悠、手どした?センズリしすぎたか?」

悠「黙れゴリラ。森に帰れ。」

拳二「誰が猿人類だゴラぁ!!」

悠「類人猿だよバーカ!!」

氷室「仲がいいですよね」

澪「イエスとはいい難いです。」

拳二「んで、どしたよ?」

悠「崇に折られかけた。」

拳二「ぁあん?」

氷室「崇と腕相撲したらしいですよ。」

拳二「そりゃ、お前が悪い。腕ごと持ってかれなかって、良かったじゃねぇか」

悠「普通ならアホかっていうが……たしかにそうだよな。」

王「へぇ~面白そうだねん。悠たん、のおててって取れるんだ。」

悠「取れるかっあぁぁ?!」

王「あはは。悠たん面白い顔~。」

崇「たしかにそいつの顔は笑えるな。」

悠「たっかしっ!どゆことだっ?!」

崇「やかましい。何がだ。」

悠「アレがいるの!!」

崇「あぁ……。西口駅をぶらぶらしててな。漆原が引き取りに来るまで回収した。放置して気まぐれにバラ(殺し)をされても面倒だからな。」

悠「……おれ、帰るわ」

崇「……」

ギュっ
悠「っ?!」

崇「痛むのか?」

悠「掴むな!当たり前だ!」

崇「そうか。どうだ、今度は左でやってみないか。」

悠「断る!じゃあな!!」

崇「……。」

王「崇ちゃんて大変そうだね~ん。退屈そうで」

崇「退屈か……たしかに辟易してる人生(にちじょう)に、「手こずる」ことがない悲劇。強さも度を超すと夢も奪う。」

拳二「ふーーっ……。それはそれでいい人生じゃねぇか」

崇「手のなかに初めからある栄光に何の価値がある?」

氷室「ふふっ。いいじゃありませんか。手の内に栄光があるなら、必ずそれを目指す人がでてきます。いつかは待ち人来るですよ。」

崇「気は長くないのだがな」

拳二「かっかっか。なら、そこの野郎とでもやってたらどうだ」

王「んー?」

崇「ソイツは面倒なだけだ」
30/100ページ
スキ