ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ーラスタ・ラヴ(8/18/夜)ー

悠「美味しい魚が食べたい」

亮「魚か……サンマとか?」

悠「暦のうえでは秋でもまだ夏だ。」

亮「えと……さ、鯖?」

悠「鯖、鯖はいいな。」

亮「ほっ…」

悠「なんで、ほっとした?」

亮「お前とな食べ物の話をするとな、聞いてる側なら美味そうとかで済むけど話を振られてる側だと返答に困るときがある」

悠「ばんなそかな。ま、そんな事より」

亮「そんな事かい」

悠「サバなら、サバ味噌食いたいな。サバ味噌定食」

亮「……う~ん」

悠「なんだ?」

亮「なんで「サバ味噌定食」なんだ?「焼きサバ」や「サバの照り煮」だっていいんじゃないか。」

悠「10代のころはお前さんみたく思いもよらなかった……ところが年齢(とし)を重ねるごとに、突発的に「サバ味噌定食」を食べたくなる頻度が高くなってきてる。」

亮「同い年だろ。」

澪「いや、おっさんじゃないか」

美喜「拳二さんと同じじゃないの?」

悠「だまらっしゃい」

優日「ちわ。」

ともき「よっす。」

悠「鯖といえば?」

優日「鯖味噌定食」

亮「即答……だと」

ともき「なんの話だ?」

悠「鯖味噌定食が突発的に食べたくなるよなって話し」

優日「なるね。」

ともき「居酒屋とかの一品料理でいいんじゃないか?」

亮「弁当にも鯖味噌弁当とかあったよな」

悠「それとは微妙に違うんだよ。平皿の上に熱々の鯖とたっぷりの味噌だれ。ご飯に味噌汁、小鉢という定食フォーメーションに決定的な魔力があるんだ」

亮「はぁ…」

悠「拳二だってビビッドに鯖味噌定食を求めてるらしいし」

ともき「あの人は食生活と栄養状態に関係があるんじゃないかな。」

悠「……ところが存外に「鯖味噌定食」を出してる店ってのは絶対数が少ないから、この欲望の処理には意外と苦労する」

亮「そうなのか?」

悠「だから確実に食べられるように頭の中でSMTマップを作成・更新しておくといい。」

亮「SMT?」

優日「さば味噌定食」

ともき「わざわざ略さなくても…」

悠「まず最優先でマッピング対象になるのが街の定食屋。全ての定食屋がやってる訳じゃないのが「ミソ」だが……」

ともき「こっち見るな。」

亮「どゆことだ?」

優日「さば味噌の味噌とミソをかけたつもりだよ」

悠「解説すんな。コホン。おれの経験上個人経営の定食屋でメニューの目立つところにさば味噌定食と記してある場合。そのさば味噌はかなりの傑作であることが多いな。」

ともき「へぇ」

悠「ただし、定食屋系は店主の出身地や好みによって赤味噌、白味噌、砂糖多め、塩辛い系など味付けが極端な場合もあるから自分に合うかどうかは身をもって体験する必要があるけどな。」
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