ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ーラスタ・ラヴ(8/17/夜)ー

梔「どうも。お晩どす」

悠「あ、梔姉さん。どうもっす。急にお呼び立てして申し訳ないです」

梔「はい、どうも。そないに気張らんでもええどすよ。どないしたん?」

悠「あ、はい。女狐……もとい、揺光から梔姉さんの佩刀を預かってて」

梔「ああ~。そういえば揺光さんに預けてありましたわ。」

悠「預けてって……。佩刀をですか?」

梔「えぇ。この個(こ)、ミナゴロシ丸はぞくにいう妖刀でしてねぇ。」

悠「へぇ……え?」

梔「絵?絵やなくて刀どすへ?」

悠「いやいや、せやなくて。梔姉さんの佩刀は「貫」でしたやろ?ミナゴロシ丸て?」

梔「あ~、「貫」は勿論、うちの佩刀やえ。ここに、ほら。」
チャキッ…

悠「あれ、柄と鞘作りが同じ。」

梔「「貫」と「ミナゴロシ丸」は同じ刀匠が創った双子刀どすえ」

悠「初めて聞きましたよ」

梔「外創りだけやったら解らんからね。」

悠「けど、ミナゴロシ丸って真名じゃないですよね?」

梔「真名は「天下御免剣」どす。」

悠「え、わぉ……いや、えぇ!?」

梔「冗談どす」

悠「そんなキャラでしたか!?」

梔「揺光さんの真似どす」

悠「お願いします。揺光との付き合いは控えてください。全力全霊で」

梔「はて?」

悠「それより、ミナゴロシ丸って……」

梔「差し上げましょか?」

悠「結構です。」

梔「残念やわぁ。じゃじゃ馬やけど。えぇ刀なんやで」

悠「いい刀……でも、妖刀なんですよね?」

梔「はい。神殺、魔殺、人殺、鬼殺、霊魂導手……ミナゴロシ丸どす♪」

悠「……ちなみに揺光に預けた経緯は?」

梔「えぇ、ついに先の事、揺光さんと模擬戦をしたんどす。」

悠「また、おれの知らない驚愕の事実」

梔「最初は「貫」をつこうとったんどすが、暫くしたら急に「ミナゴロシ丸」が哭きはじめましてな」

悠「哭く?」

梔「えぇ……。キィィンっと、金切みたいな音でねぇ。それで死合(しあい)を中断して」

悠「(模擬戦から死合になってる)」

梔「「ミナゴロシ丸」の封が解けて張りました。」

悠「軽くいってますけど超不味くないですか?」

梔「良くはありまへんね。せやからうちは揺光さんを信用して預けました。」

悠「あれ大妖怪ですけど。」

梔「うちにはそない悪い用には思えまへんですけどね。」

悠「ひとが良すぎますよ」

梔「報酬は要求されましたけどね。」

悠「あの……女狐…。ちなみに何を?」

梔「片羽のノ芦(かたばのあし)」

悠「それって……確か、本所の駒止橋で留蔵が自分になびかない女を袈裟懸けに斬り殺した匕首を長ドスにたたき直した妖刀ですよね……国宝指定の」

梔「にこり♪」

悠「揺光から取り返しときます」
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