ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ー三日月(8/5/夜)ー

恵瑠「ナポリ風ピザが2位は納得ですね。私も大好きです。あ、悠センパイ今度ピザ食べにいきましょうよ」

悠「あー?」

社「でも3位がメキシコのチョコレートって……ありなのかな?」

悠「おれとしては丸で無しのうえ、よくわからん基準だがアイスやハンバーガーがあるあたりは逆に考えれば本気ともいえるし……まぁ、おれが一時期ハマってた「ラクサ」ってアジア麺が7位だったりして個人的には悪くない並びかな。」

凛「それで……1位は?」

悠「タイの「マッサマンカレー」」

「「「え?」」」

悠「はらほらあのマッサマンカレーだよ。」

恵瑠「ほらって言われても……知ってます?」

凛「さぁ……私の知識不足かしら」

社「いや、僕もわからないな。」

悠「……やっぱそうだよな。実はおれも知らなかった。」

社「はい?」

悠「調べてみるとタイやマレーシアでは古くから知られているカレーらしいが全然聞いたことがない。そこで轟さんに聞いてみた」

社「誰?」

悠「電話して「マッサマンカレー食べさせてくれ」っていったらすかさず。」

~~

轟『ああ、ゲーン・マッサマンって呼ばれてるやつか』

~~

悠「って、感じでな」

凛「物識りな方なのね。」

悠「で、この前、轟さんお薦めのタイ料理の店で世界一のメニューを食べにいってきたんだ」

社「へえ」

悠「ちなみに轟さんいわく、「マッサマン」ってのは「イスラム風」みたいな意味でタイの南部やマレーシアに住むイスラム教徒に食べられているマイナーな甘口カレーなんだそうだ」

社「……わくわくするね」

悠「で、ついに目の前に世界一のメニューが運ばれてきた。甘口のハズなのに色は真っ赤……おれの期待値も絶頂(マックス)だ。」

凛「どうだったの?」

悠「……う、うまぃねっ的な」

恵瑠「声が裏返ってる」

悠「いや、美味いことは美味いがぶっちゃけココナッツ系の赤いタイカレーから辛さを抜いたような感じの刺激のない安牌路線でおまけにジャガイモ入り。そりゃ「ダメな人はいない」だろな。……って味だ。」

社「はぁ」

悠「せっかくハマり系の新境地を楽しみにしてきたのに……CNNの野郎……っとおれが勝手に憤っていたら轟さんが分析し始めた……いわく」

~~

轟『この手の食べ物系ランキングってのはまず目立つところに「何だそれ?」ってサプライズ物件がないと成立しないだろう』

~~

悠「そりゃそうだ全部チョコやアイスばっかじゃ誰も聞いてくれない。でも、それ系はいざ実食したときに拒絶する輩が出るほどクセが強すぎてもダメなんだと。」

社「ふんふん」

悠「求められるのは外側はキワモノ風でも中身はおだやかな八方美人タイプ……っとなると、CNNのセレクトはそれなりにベストを尽くしていておれが逆ギレしたのは期待しすぎた欲深な自分のせい……」

凛「深いのね」
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