ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ー???(7/18/昼)ー

柏「……」

匣「不機嫌だな。」

柏「あ゛?」

匣「数日前の親族会議からずーー……」

柏「……」

金剛「……」

匣「……はぁ。すぅ……っと、不機嫌。イライラしてるね。」

柏「お前の話し方に血管がキレそうなのは確かだ。」

匣「きひひ。キレたら僕が繋ぎあわせてあげるよ。人間としては機能しなくなるかも知れないけど、「生きている」状態は維持してあげるよ。」

柏「テメェの身体でも弄くってろ」

匣「そこまでして長生きするヤツの気が知れないね。」

柏「チッ」

匣「きひひひ。」

金剛「(帰りたい…。一刻も早くこの場から立ち去りたい。)」

匣「さて僕の短い余生の中で、イトコ柏との楽しい会話という有意義な時間はこの辺にして…」

金剛「(え、楽しい会話?有意義な時間?)」

匣「いったい、何が気に入らないのか聞かせたまえ。」

柏「まずはテメェの欠席だ」

匣「それは仕方ない、僕はこのとおり病弱だ。親族会議なんて長時間束縛される行事に出席なんかできないさ。倒れてしまう。コホコホ。」

柏「わざとらしい咳はやめろ」

匣「きひひひ。」

柏「……気に入らないのは、臥劉の事だ。」

金剛「(がりゅー?)」

匣「あああぁあ。そういえば、親戚にいたねぇ。がりゅーちゃん。帰ってきたらしいじゃないか。」

柏「どうせ調べはついてるんだろ。」

匣「興味がないことは調べない主義だ。」

金剛「がりゅーっていうのは?」

柏「金剛。臥劉をシバキ倒してこい。」

金剛「話が見えないのにいきなり無茶をいわれた…」

匣「面白そうだね。」

金剛「アンタも乗るな。」

匣「きひひひ。」

柏「臥劉で無くても悠を殺ってもいい。」

金剛「なんでだよ…」

柏「俺の気がはれる」

金剛「八つ当たりに俺を使わないでくれ…。」

柏「八つ当たりでもない。今回の騒ぎも奴が居たから起こった。いわば諸悪の根元だ」

金剛「何があったんだ?」

柏「……ふー。テメェで悠に聞け」

金剛「……」

柏「はぁ…」

金剛「(なぁ、柏は何にイラついてるんだ?)」

匣「きひひひ。イトコ柏はね。毒が溜まるのが苦の種なんだよ」

金剛「毒?」

柏「聞こえてんだよ」

金剛「あ」

柏「……蠱毒を知ってるか?」

金剛「こ…どく?」

匣「ひとつの壺に蛙、蛇、ムカデ…毒虫や凶暴な生き物を集めて殺し合わせて食い合をさせて、最後に生き残った災凶(さいきょう)の生物を産む物さ。他にも呪術的なのや毒薬作りにも使われてるね」

金剛「は、はぁ…」

柏「東京という空間(壺の中)に毒(人)が集まる……。いずれそれは引き合う男は女と寝たがる理由がないのと同じだ。どちらが強いか知りたい。そういう毒が毒を呼んで喰らいあう……。文字どおり蠱毒だ。金剛」

金剛「ん?」

柏「毒をもって毒を制す。お前という毒で他の毒を喰らえ。災凶の毒など生ませるな。それが俺がお前に力を貸す理由だ。」

金剛「……なんで俺だ?」

柏「自分で考えろ」

金剛「……」
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