ｰ京都:小鳥遊邸西本家(7/15/夜)ｰ

悠「ふー……ダル。」

楓子「あ、師匠。こちらにお出ででしたかやよ。」

悠「あー…中はどうだ？」

楓子「大宴会状態ですやよ。」

悠「そうか…。」

楓子「ご参加なされないですやよ？雲水殿や道玄殿もいらっしゃるやよ」

悠「うーむ……。滞りなく済んだしな。下手におれが顔出して揉め事が起きたら嫌だしな。」

楓子「無礼者は叩ききりますやよ」

悠「ふふっ。」

楓子「？」

悠「いや、落ち込んでないからそうやってボケなくていいぞ。」

楓子「割りと本気ですやよ」

悠「なら、アホ。おれの事なんかにキレるな。」

楓子「しかし…」

悠「おれは人の悪口もいうが、代わりに他人の悪口も客観的に受け止めれる。それにな……おれが嫌われるのは仕方ない。それだけの事をして来たわけだし。」

楓子「師匠…」

悠「お前も京都に戻ってるんだ親族やダチに顔見せてこいよ。」

楓子「つい最近、来てたですが…やよ。」

向日葵「お姉さまー？どこですかー？」

鈴蘭「向日葵さん、転けますよ」

悠「ダチが探してるぞ」

楓子「……何かあったら呼んでくださいやよ。」

悠「おう。……ん？」

石楠花「えへへ。」

悠「…君は？」

石楠花「おにーちゃん、楓子おねーちゃんのせんせぇーなんだよね？」

悠「まぁ、元師匠だな。(っか、誰だっけ…この子、見たことあるような。確か…)」

石楠花「そぉーか。じゃー強いんだね！」

悠「いやいや…ぜんぜん。」

石楠花「またまたー。私と遊んでねー」

悠「あ？」

石楠花「よっ！！」

ビュバッ！！
悠「(トンファー！？)っおっ！？」

石楠花「にはは。避けられた！避けられた！やっぱり、強いんだね！強いひと好きだよー！」

ビュバッ！！ビュバッ！！
悠「ちょっ…なっ…危っ…(思い出した。この子、楓子の弟子か同期生かなんかだ！っか、なんてむちゃくちゃな攻撃を…痛っ。アバラが痛むっ…。)」

石楠花「にひ！もーらいっ！」

悠「やべっ！？」

ガイン！！

石楠花「あり？」

悠「……ん？」

「……愛は暴力で語るものじゃない」

石楠花「んー？誰？だぁれ？」

「愛に背くお前は悪。すなわち己(おれ)の敵。」

悠「(愛？悪？今度は誰だ…っか、今トンファー素手で受けたぞ。この子)」

石楠花「君が相手ー？」

「己が相手だ」

悠「いやいや、なに？どゆこと？ねぇ？」

「悠」

悠「あー？あれ？お前、おれの名前知ってんのか？」

「己はお兄さんを護る為に帰ってきた。臥劉京(がりゅうきょう)」

悠「がりゅー…？はて、なんか…聞き覚えあるような…っか、おれを護る？？なぁ、ちょっと顔を……」

京「っ！！」

ビュバッ！！

悠「なっ！？」

京「断りなく。己の間合いに入るな。どうなっても知らないぞ」

悠「えぇ……」

石楠花「がりゅー君か！よぉし、負けないぞ！」

京「来い！」