ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ーラスタ・ラヴ(7/11/夜)ー

禅「…プロジェ…クター…起動…」

崇「任せて正解だった。よく撮れてる」

禅「これが…仕事…で…すから」

紅「崇さんコイツが寅って男ですか?」

崇「ああ。」

千夜「ボクサー……いや、キックボクサーか」

氷室「悠さんはプロレスのStyleみたいですが…また何故?」

崇「さぁな。どこかの龍の娘に触発されたんじゃないか」

道玄「……」

紅「崇さん、崇さん」

崇「なんだ?」

紅「俺ずっーと、ずっーと、気になってたんすけど…。悠の攻略法って結局なんなんすか?」

崇「あぁ…。攻略法というより、奴のウィークポイントだな。」

ともき「そんなのがあるんですか?」

崇「ああ。女、ガキ、歳より、そういうの感情的な物を除いて、奴にある決定的な致命点がある。道玄や雲水は解らんだろう。だが、紅、千夜、ともき、亮。お前らならわかるはずだ。」

氷室「ちなみに私もわかってます」

千夜「……」

紅「ともき、なんだ?」

ともき「いや、わからない。」

亮「ていうかさ、ともきは除いて俺も紅も千夜も悠と喧嘩したことあるけど……そんな弱点なんか微塵も感じなかったよな。」

紅「うーん…。頭が硬いのは超印象に残ってっけど」

千夜「ムカつくが強いからな。」

崇「そこが間違いだな。」

ともき「はい?」



氷室「口でいっても分かりにくい話しになりますけど……悠さんは驚異的や究極的に強者とはいいません。むしろ…」

崇「腑抜けの臆病者だ。」

「「「……」」」

ともき「いや…確かに自分でも腑抜けとかいってますけど、そんな事はないでしょう」

崇「いや、奴は本当に臆病者だ。だが、同時にぬるま湯にも居られない本質が居るから他者からは違うように思える」

紅「えーと?ん?んん?」

氷室「極端にいえば善人は嫌、けど悪人は怖いみたいな感じです。暇潰しに人助けはしても殺しや暴力は嫌。だけどほったらかしにもしない。どっちつかず。」

ともき「ちょっと待ってください。それは関係あるんですか?」

崇「薫、回りくどい言い方は止めろ。話が止まる。」

氷室「おや、それは失礼しました。」

道玄「っで、小僧の致命点は結局なんだ?」

崇「闘いの目的と在り方だ」

雲水「ふむ…わかったかも知れんぜ」

紅「敵をぶっ倒す……じゃあないんすか?」

崇「間違いじゃない。むしろ闘争の本質はソコだ。だが、小鳥遊悠の本質は闘争心じゃない。悠の本質は恐怖だ。」

千夜「恐怖?あのバカが恐怖するんですか?」

崇「悠は今まで、全部やりつくし、だし尽くし、すべてを吐き出したあとにしかやる気を出してないと思わないか?」

紅「そう言われたら…」

千夜「そんな気もしなくはないような…」

ともき「火事場の馬鹿力ってことですか?」

崇「うまい例えだ。」

紅「えぇ?ちょ、わけが解らないっす。全然弱点じゃないような。」

崇「まだ、解らないか…。」
30/100ページ
スキ