ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ーラスタ・ラヴ(7/6/夜)ー

崇「じゃあ、これは全部小鳥遊の人間なのか?」

梔「いやいや、ちゃいますよ。小鳥遊の人間も居れば…ほら、この子。駒狸家の雷果ちゃん。知っとります?」

崇「あぁ、悠の家にいる居候か。」

氷室「そういわれたら面影がありますね。」

梔「こっちが大人の集合写真やけど…。これが小鳥遊、こっちが春夏秋冬家、九頭竜、百目鬼、鳥居、天馬、猿渡、駒狸。ここは八雲いう親戚に…あ、これは古川柳せんせや。他にも、石田、蠎(うわばみ)、霧ヶ峰(きりがみね)、八百万(やおよろず)……全部いうてたらキリがありまへんわ。」

氷室「すごいですね。」

梔「後半はうっす~い親戚ばかりなんやけどね。」

崇「しかし、面白いな」

梔「なにがどす?」

崇「この写真だ。悠のまわりは女だらけだ。」

氷室「この頃からだったんですね。」

梔「悠ちゃんは昔は今と違おて身体も弱ぁてね。運動なんかはまるでダメな子でしたどす。やから男の子よりは女の子とよう遊んどったんどす」

崇「今は身体も神経もず太く女と遊んでるがな。」

氷室「あはは。うまいですね。」

梔「あらあらぁ。お盛んなんやねぇ。」

氷室「おや、こういう話。大丈夫でしたか。」

梔「人並みにはどす」

崇「それにしても……幸せそうな面だな。」

梔「紅葉さんが居りましたしねぇ。うちとしては……この時のまま、大きいなって喧嘩や争い事は避けて幸せになって欲しかったんどすけど」

崇「ふふ。」

梔「?」

崇「いや、あの男は今のあの男だから生きてる。アンタが思ってるより、人生を謳歌してるさ。」

梔「せやろか…。」

氷室「おや?」

崇「なんだ?」

氷室「いえ、ちょっといく枚かの写真を確認させて貰いましたが…この子。」

崇「…?」

梔「はい?」

氷室「この子、悠さんとよく写っていますね。ほらこの薄い青というか灰色に近い髪の子と…かなり色白の子」

梔「あら、この子は八雲匣ちゃんいうてね。ふふ、悠ちゃんの婚約者だった子やのよ」

氷室「おや」

崇「ほぅ…」

梔「まぁ、いろいろあってうやむやになったんどすけど。こっちの子は……はてぇ、なんて名前やったかなぁ。悠ちゃんによおなついとんたんどすけど」

崇「本人に聞いたらどうだ?」

梔「それはあきまへんわ」

氷室「どうしてですか?」

梔「ほら、悠ちゃんは昔ばなしとかあまり好まんやろ。それに写真も好きやないし…。うちが昔の写真持って見せるんも秘密にしといてや」

崇「そういえば…中学くらいから写真がないな」

梔「紅葉さんが亡くなってからめっきりでねぇ…。」
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