ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~3

ーラスタ・ラヴ(7/6/夜)ー

崇「……」

美喜「いらっしゃい。」

崇「薫は来てるか。」

美喜「あっちで話してるわよ」

崇「……」

梔「昔はちぃちゃあてかいらしい(小さくて可愛い)子やったんどすえ」

氷室「へぇ、そうなんですか。」

崇「……」

氷室「おや、崇。」

梔「あら、おばんどす」

崇「こっちに来てたのか。」

梔「はい。最近は交通の便が便利やから日帰りで京都まで帰れはりますから」

崇「日帰りとは慌ただしいな。悠の家にでも泊まったらどうだ?」

梔「突然やし、迷惑かけるんはあきまへんやろ。」

崇「そうか……。和室と洋室どっちがいい?」

梔「はい?」

崇「宿を用意する。」

梔「あらあら、そないなこと…」

氷室「構わないじゃありませんか。私ももう少しお話を聞きたいですし」

梔「せやったら…。なんや気使わせてしもうて」

崇「気にするな。」

氷室「えぇ、気にしないでください」

崇「……お前が言うな」

氷室「おや、失礼しました。」

梔「ふふ。」

氷室「それより、崇、なかなか面白いお話を聞けますよ。」

崇「なんだ?」

氷室「悠さんの小さい頃のお話です。ほら、写真も有るんですよ。」

崇「ほぅ…」

梔「これは小学生くらいの頃の写真どす。まだ髪もそんな長おありまへんやろ?」

崇「これが悠か…そばに居るのは?」

梔「紅葉さん。悠ちゃんのお母様どす。」

氷室「若いですね。」

崇「若い……な。」

美喜「わぁ…若い……。」
梔「気使わんでええんどすよ。」

氷室「ランドセルが似合いそうですね。」

美喜「並んでいる悠(小学生の時)と身長あまり変わらないわね。」

崇「小学かよくて中坊にしか見えないな」

梔「皆、はっきりいいますなぁ」

氷室「あ、これはすみません。」

梔「いやいや、紅葉さんはそーいうこと言われても喜ぶ人やったから。」

氷室「寛大な人だったんですね。」

梔「寛大な…お人でもあったんやけど、からかうんが趣味みたいなところあったさかい……ようお酒買いに行きはって免許証見せて驚かしてましたなぁ」

崇「悠は母親似だな」

氷室「確実ですね。」

梔「えぇ、悠ちゃんは紅葉さんに似てはります。あ、他の写真もあるんどすえ。京都に居るときのもんばっかりやけど」

氷室「おや、これはもしかして悠さんと楓子さんですか?」

梔「せやせや。あの子らは覚えて無いかもしれへんけど、よう悠ちゃんが楓子ちゃんの遊び相手してたんどすえ」

崇「あの娘は悠の弟子なんだろ?」

梔「中学生くらいの時やったなぁ。たぶん、その時が初顔会わせと間違うとるんどす。ほんまはちぃちゃい頃から知り合いやのに。ふふふ。」

氷室「おや、これは集合写真ですね。悠さんを中心にたくさん居ますね」

梔「小鳥遊の家系は親類が多てねぇ。本家に集まったら子供だけでもこれだけの数になるんどす」
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