ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~2

ーラスタ・ラヴ(6/15/夜)ー

悠「食欲不振になる夏の季節、茶粥でもつくれば売り物になるかもしれない…。だが、それをやりだすと茶屋から薬膳屋になるかもしれない。」

ともき「なんの話だ?」

悠「今後の小鳥遊堂の行く末の話。夏はかきいれ時だけど、似たり寄ったりな甘味じゃでかいところに勝てるわけないし……っと、いって奇抜なものを出せば出したて客を引き付けるわけでなし。」

美喜「なら、一番売れるものをメインに置くしかないでしょ」

悠「一番売れるものか…」

ともき「なにがある?」

悠「……ビール?」

美喜「そうね。夏の売れ筋No.1といっていいわね。」

悠「だよな。ビールに枝豆。それが夏の無敵コンビ」

ともき「……茶屋だよな」

悠「いや、わかってるよ。うん。だけど、夏っていったらキンキンに冷えたビールしか思い付かなくて」

ともき「いっそ飲み屋にでもしたらどうだ。」

悠「それは無理」

美喜「あら、どうして?十二分に似合うわよ。」

悠「飲み屋になんかしてみろ、拳二や崇に居座られるのが目に見えてる」

ともき「素敵なお得意様じゃないか」

悠「身が持たんだわさ。」

紅「うっす」

悠「夏に食いたい甘いものなんだ?」

紅「スイカ」

悠「そうきたか。」

ともき「定番中の定番だな。」

悠「おれも今年の夏は萃香とスイカを食べたいさね。」

ともき「はいはい。」

紅「なんだ?なんの遊びなんだ?」

ともき「遊びじゃないんだけど……いや、遊びかな。」

悠「私は至って真剣だ。」

ともき「そうは思えないんだが?」

紅「あ、あと苺とかトマトとか」

悠「なぁ、赤けりゃなんでもいいのか?ん?」

紅「紅いのは前提条件だろ?」

悠「ねぇよ!そんな前提条件!」

紅「無いのか?」

ともき「……どこまで紅を推してるんだ」

紅「紅は俺のパーソナルカラーだからな」

ともき「そこまで好きな理由ってなんだ?」

紅「……鮮血の色。」

ともき「あ、そうか…。」

紅「あはは。冗談、冗談」
悠「そんな分かりにくい冗談はいいからなんかいいないか?」

紅「うーん…素麺。」

悠「食うけど、確かに素麺、冷麺は食うけど!甘いものっていったじゃん。」

紅「そーいうの聞く相手間違ってね?」

悠「薄々そうじゃないかとは思ってた。」

ともき「もっと基本に帰ったらどうだ?」

悠「基本に……」

紅「砂糖?」

ともき「原点回帰もここに極まりだな。」

美喜「アリンコじゃないんだから。」

悠「砂糖か…」

ともき「おい。」

悠「冗談、冗談。」

ともき「ったく…」

悠「けど、砂糖で思い付いた。かき氷ミゾレ。」

ともき「ミゾレって、たしか砂糖水だよな。」

悠「あぁ。」

ともき「……普通のかき氷にしとけ」
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