ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~2

ーラスタ・ラヴ(5/4/昼)ー

千草「はあぁ…つかれたぁ…」

美喜「どしたの彼女?」

亮「ゴールデン・ウィークで客入りが半端なかったらしい。」

澪「商売繁盛は良いことじゃん」

千草「あのねぇ…いくら商売繁盛でも、うちはおじいちゃんと私しかいないのよ?朝から何十人も来られたらさばけないわよ。」

亮「っていうか、普段はマスターだけだろ」

千草「あ、失礼な。私だって手伝ってますー。」

亮「はは、悪い悪い」

千草「も~」

美喜「なにこのバカップル」

澪「え、二人ってこんな感じだったか?」

千草「ちょっと今のは調子に乗ったわ。もう少し目に見えてじゃなく、見えそうで見えないようにイチイチするわ」

美喜「なにそのさじ加減…」

澪「ちなみにどういう感じになるんだ?」

千草「さっきからずっと亮と手を繋いでたりする。」

澪「さすがにイラってしてくるな」

亮「すまん。」

千草「なんで謝るのよ」

亮「いや……すまん。」

美喜「なんでもいいけど、そんなにお店が忙しいのにここで油売ってていいわけ?」

千草「私は今日から休みだもん」

澪「休みだもんって……店閉めてるのか?」

千草「まさか、おじいちゃんがお店を休むのは特別な日だけよ」

美喜「じゃあ、ひとりで切り盛りしてるの?」

千草「臨時のバイトいれてあるから、ひとりじゃないわ。」

亮「悠のことだけどな。」

澪「…何気に悠って働いてるな」

千草「いやいや、ただの暇潰しよ。アイツはちゃんと労働を勤しむタイプじゃないもの」

亮「軽くひどいな」

千草「本当のことをいってるだけよ。」

紅「ちぃーす。」

亮「あ、紅」

紅「おう、岡崎くんに彼女さんじゃんか」

千草「どうも。久しぶりね」

紅「そだな。」

紅「澪、あれ届いてるか?」

澪「ああ、ちょっと待てよ……ほら。」

紅「おう。さんきゅ」

亮「なんだそれ」

紅「バット。新型モデル……もってみるか?」

亮「もってって……重っ!?」

紅「だろ。軽く頑丈なカーボンモデルじゃなく、重く硬い玉鋼製。」

亮「こんな物、振れるのか?」

紅「流石に片手で扱うのキツいかな。ま、あくまで試作品だからな。十回くらいで壊れるんじゃないか。ところで、悠知らないか?軽くスパしたいんだけどな」

千草「悠ならうちの店でバイトしてるわよ。」

紅「マジで?」

千草「マジよ。」

亮「っていうか、そのバットで悠をしばく気か?」

紅「当たるかどうかが問題だな。重い分威力は増すけどスピードがなぁ…」

亮「いやいや、そっちの心配じゃねぇよ…」

千草「大丈夫よ。あいつ死なないように出来てるから」
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