ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~2

ー四ッ谷墓地(4/26/深夜)ー

悠「真夜中に墓地で花見って風情云々より、恐怖を地味に感じるのは気のせいかな。」

神姫「なんで四ッ谷になんかしたのよ」

悠「いやいや、神姫さんがいきなり花見するから出てこいって電話してきたんすよね?おれ、家に帰ってさぁ、寝ようかなって思ったくらいのときに」

神姫「悠は夜中じゃないと電話に出ないでしょ。どうせ、普段は携帯不携帯だし。」

悠「……」

神姫「なによ?」

悠「いや、おれに携帯を持つようにいうんじゃなく、おれが携帯に近いときに電話をかけてくるという発想に驚いた。」

神姫「簡単な計測よ」

悠「さすがは天才だな」

神姫「本当のことをいっても誉めたことにはならないわよ。」

悠「うーん、高慢だ」

神姫「……」
ピッ

ドッンン!!

悠「ぐべっ…」

神姫「なにかいったかしら?」

悠「いえ…なんでもございません…」

神姫「……はぁ。ほら、いつまで地面にへばついてるのよ」

悠「その原因をつくったのは誰だよ…」

神姫「悠」

悠「即答されたし…」

神姫「どうでもいいけど、立てるなら早く立てってくれない?」

悠「龍剄で思いっきり叩きつけられてすぐに起き上がれるかっーの…。」

神姫「クラッシュ症候群になるまで開放しましょうか?」

※クラッシュ症候群
長時間圧迫されることにより細胞が傷害や壊死を起こしたりすること。

悠「勘弁してください」

神姫「冗談よ。はい、立って。」

悠「冗談に聞こえないんだよ…。」

神姫「私が龍剄を開放したら、クラッシュ症候群になるまえにミンチになるに決まってるもの」

悠「余計悪いわ…。っか、なんで今さら花見に?」

神姫「だって、もう桜の花も散っちゃうでしょ。葉桜になるまえにやっておきたいじゃない」

悠「花見なら毎晩千世子の所(学校)で見れるだろ。」

神姫「あそこには勉強にいってるんでしょ。」

悠「予想以上に真面目な回答いただきました……っか、花見ならなにも深夜にしなくても」

神姫「悠が夜しか電話に出ないからでしょ。」

悠「へいへい。申し訳ござーません。」

神姫「……」

悠「龍剄はマジでやめてくれ。あ、そうだ。たい焼き食う?」

神姫「もらうわ。それにしても夜風が気持ちいいわね。」

悠「あー…最近は温くなってきたからな。普通に夜でも暖かいな。」

神姫「お店の調子は?」

悠「可もなく不可もなくだな。そのたい焼きも新製品で出そうかと思ってるヤツだ。」

神姫「これが?普通のたい焼きじゃない。」

悠「ま、食ってみろよ」

神姫「カジッ……桜餅の味がする?」

悠「中に桜餡、桜の葉、もち米が入ってる。意外といけるだろ。」

神姫「焼きたちじゃ無いから50点ね。」

悠「手厳しいな…」
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