ー談話ーラスタ・ラブへようこそ~【Ⅰ】2

ーラスタ・ラヴー

久保田『勝負?』

悠『ああ。考えてみたらくぼちゃんを力づくで連れていこうとして舌でも噛み切られたらたまらない。久保田朔は力でつぶすのじゃなく…ゲーム、知恵で勝たなきゃ意味がないんだよな。』

久保田『それで勝負方法は?』

悠『麻雀…と言いたいが二面打ちで久保ちゃんに勝てるとは思えない。だから…9で勝負だ』

久保田『ナイン…どんなゲームだっけ?』

悠『簡単なゲームだ。聞けばすぐわかる。使う牌は何でもいい。ピンズでいくか…まず互いに1~9までの牌を持つこれが持ち駒。あとは互いにこの牌を相手に見えないように持って任意の一牌を伏せて出し、互いに出したらすぐ開ける数が多い方が勝ちだ』

久保田『ふぅん』

悠『勝った方は相手の牌と自分の牌を持って帰るそれが勝った陣営の得点だ。引き分けた場合はどっちの物にもならない。これを九回繰り返し最終的に自分が持って帰れた牌の合計点が多い方が勝ち。単純だろ』

久保田『……』

悠『少し説明を加えるならこのギャンブルの肝は同じ勝ちでも9で8を取れば17点になるけど2で1を殺してもわずか3点にしかならないってことだ。どう勝つかが重要、はっきりいえば勝ち計算のできる7、8、9。この辺りで負けるのは痛い9、8の牌で敵にやられてそのあと4や3で勝ちを拾っても全然追いつかない。強い数字ではキッチリ勝っておく事が肝心。逆にいえば敵の9を2や1辺りで潰すのはいい負け方だ。どうせ負けるなら1や2は高い数字とありたい…つまり、敵9自分1で負けたなら実質は一勝あげたものだ。これがナインの醍醐味だ』

久保田『ん、理解した。面白そうだねこの牌遊び。やろう』

悠『…もし、俺が勝ったらくぼちゃんは俺のいうことを聞いてもらう。俺が負けたら…俺がくぼちゃんについていく。』

久保田『……いいよ。けど、引き分けは勝負無し。再戦も無し最初の…このギャンブルのなかった状態にもどる。つまり約束も何にもなかった。俺は俺。悠は悠の状態。それで構わないよね?』

悠『……OK。俺ばっかりの提示じゃ五分じゃないしな。』

久保田『ふふ、なら…やろうかこのナイン』


小鳥遊悠VS久保田朔
簡潔にして究極の心理戦…【ナイン】

悠『……』

久保田『……』

互いの一牌目…
4:4引き分け

悠『……』

久保田『……』

続いて二牌目…
2:2またも引き分け

悠『…(ふふ…思った通りだ。くぼちゃんに勝つ気は無い。最初から引き分け狙い。だから同数か…せいぜい一つか二つの差で勝ち負けを繰り返して最終的に互いの帳尻を合わせる魂胆)』

久保田『……』

悠『…(その気持ちが隙…そこを突けば勝てる!俺も洞察力、直観力、集中力では少しは優れてると思ってる。けど、くぼちゃん相手じゃ話は別…久保田朔はその点に関してはまさに…悪魔じみた超人、まず勝ち目はない…けど、勝つ気のないそんなくぼちゃんなら勝機はある)』

三牌目…
6:6引き分け…
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