ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~

ー小鳥遊邸・庭(3/21/昼)ー

悠「よっ、ほっ。」

ビシッ、バシッ、ドッ

亮「っ…(これだけ攻めて、一本も入らない…。中段突きから、ローキック!)」

ビュッ、バッ
ヒョイ、ヒョイ

悠「おっ…今のフェイントうまい」

亮「余裕で避けながらいうなっ…!(間合いが空いたらダメか。インファイトに打撃で攻める)」

ゴッ!ゴッ!ゴッ!
ビシッ、ビシッ、ビシッ

悠「おっ…おっ…」

亮「(開いた!)山突っ…」
ドッ!!

悠「お、入った」

亮「っ……おま、空手習ってる人間に…返し手に……中段突きとか…まっすぐな空手で打ってくるなよ…。」

悠「いやぁ、間合い的に膝蹴りか、肘鉄かと思ってたんだけどなんか山突き食らいそうだから正拳突きが一番だと判断しました。できたら次は顔面を狙います。」

亮「容赦ねぇな…いや、容赦あるから正拳突きにしてくれたのか…」

悠「いや、たまたまだけどな。」

亮「どっちだよ…。」

悠「ただな、亮ひとつ教えといてやる。」

亮「…なんだ?」

悠「まだ、戦闘中だからガード下ろして気抜くのは危ないぞ~。」

ドゴッ!ドンッ!

亮「ゲッ…ゴッホッ…」

悠「千夜コンボ(弱)~。」

ともき「一本。って、お前なぁ…心臓に蹴りからの踵落としとか亮が死ぬぞ」

悠「加減はしてるし、おれはこの前千夜のマジ心臓蹴り食らったんだぞ」

ともき「あれはお前が変なことをいったから悪い。自業自得だ。」

悠「ひどっ…」

亮「はあぁ…」

悠「どした?そんなにキツかったか?」

亮「痛みはともかく心の方のがダメージでかい…」

ともき「そりゃ自分の得意分野で叩きのめされたらなぁ」

悠「いいじゃないか。おれみたいに半端な空手じゃなくちゃんとした空手なんだから。」

亮「その中途半端に負ける俺の立場はどうなるんだ…」

悠「精進あるのみなんじゃないか。」

亮「軽く言うな。」

悠「軽くねぇよ。おれだってさんざん投げられたり、殴られたり、抉られたり、蹴られたり、吹き飛ばされたり…………」

亮「すまん、なんか俺が悪かった。」

悠「特に百目鬼のおっさんに殴られたりしたらガードしても……」

ともき「ダメだ。なんかトラウマってる」

真桜「ほっといたらいいなの。適当に自然回復するなの。」

亮「なら、その間…ともきスパするか?」

ともき「いや、それこそ無いから。」

楓子「私でよかったらお相手しますやよ?」

亮「アンタ、無手じゃないだろ」

楓子「無手も多少は心得ありますやよ。けど、負けず嫌いなのでしっかりと刀を使いますがやよ。」

亮「若干怖いなアンタ…」
ともき「……なぁ、スパーリングって当てないのが基本じゃ無かったけ?」

真桜「当てられた方が成長に繋がるとなの。っと、こういえば何か正論ぽく聞こえるから大抵の奴は納得するなの」

亮「まる聞こえなんだが」

ともき「あれは多分聞こえるようにいってるんだと思うぞ。なぁ、悠」

悠「ぶっぶっ…ぶっぶっ…」

ともき「コイツはコイツでまだネガティブってた…。」
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