ー談話ーラスタ・ラヴへようこそ【Ⅱ】~

ー秋葉原:がしゃどくろ(3/17/昼)ー

悠「翡翠はゲーセンあんまり来ない?」

翡翠「…コク…」

悠「そっかぁ、じゃあもしかしてつまらない?」

翡翠「…フルフル…」

悠「いいのか?」

翡翠「…みててたのしい…」

悠「そうか?」

翡翠「…コク…」

悠「じゃあ、なにか……あっ」

翡翠「…?…」

少女「……」

悠「……(あの子がいる。)」

少女「……」
ジロリ

悠「うっ…(睨まれた)」

少女「……」
プイッ

悠「……(うーむ、完全に恨まれてるな。っか、この子、翡翠と同じくらいなのに筐体ゲームを好んでやりなんて、妙なやつだな。よっぽどゲーム好きなのか?)」

翡翠「…?…」

少女「……」
スッ…

悠「あ、行ったか…ストⅡしてたのか。ダルシムでクリアしてるしかもワンコインで……(まぁ、おれも出来なくは無いが)」

翡翠「…これするの?…」

悠「そうだな。ちょっとやってくか……!?」

翡翠「…?…」

悠「な、なんて劣悪極まりない筐体…六つの内四つのボタンがはがれてむき出しになってるし…しかも、レバーの先の丸いのが存在してない」

翡翠「…ぼろぼろ…」

悠「ま、まぁ、古い筐体だしな…(それより驚くべきはあの女…)」

少女「……」

悠「……(何もかも投げ出したくなるようなこの悪環境でよくワンコインでベガを倒せたな…。)」

翡翠「…だいじょうぶ?…」

悠「お、おう。負けるわけにはいかねぇよな。」

翡翠「…?…」

「おれもこのダルシムをつかってベガを倒して見せるぜ」

翡翠「…おー…」

悠「さぁ、いく……!?」
カチカチカチカチ…

翡翠「…どしたの?…」

悠「強Pボタン、強Kボタン、中P中K小Pが……利かないだと…!?ヨガファイヤーもヨガフレイムも出来ない…出来るのは小キックのみ…」

翡翠「…こしょう?…」

悠「故障っーより、環境が殺人的悪環境だな。…っか、あの子。投げ出すこともなく小キックのみでベガを倒したのか…」

少女「……」

翡翠「…いずみさん?…」

悠「そう、その和泉さ……え?翡翠あの子のこと知ってるのか?」

翡翠「…いずみあきらさん、となりのくらす…」

悠「和泉晶か…友達か?」

翡翠「…はなしたことない、けどゆうめえ…」

悠「有名ゲーマー?」

翡翠「…フルフル…」

悠「違うのか?」

翡翠「…えーさいきょういく、ぴあののおけいこ、さどう、しゅうじ…いっぱい…」

悠「ふぅん。じゃあ、見た目通りお嬢様なわけか?」

翡翠「…コク…」

悠「お嬢様がレトロゲームって……っか、このまえ殴られたし」

翡翠「…あとむくち…」

悠「……翡翠も十分無口だけどな」
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